「10秒でお答えください」
出典元、テレビ番組でたまに使われているクイズ形式のセリフより。特定の一人を指名して行われる。
ごく普通のクイズ番組なら回答時間が10秒という事もなかなかないが、クイズを主体と”しない”番組では、たまにこういう、一人を指名したクイズが出題される。当てられたタレントはその10秒で頑張って答えるが、芸人であるほどボケに走りがちで、しかしボケるにしても10秒しかないので、なかなかの瞬発力が求められる場面である。クイズというものの形式としては本当に簡素なものであり、それはスナック感覚で行われる。
しかし良く考えてみると、考える時間は10秒もあればいいのではないか。だいたいクイズ問題なんてものは”知っているか知らないかの二択”なのであり、口でバッと答えるなら10秒もあればいい。テレビとして視聴者が考える楽しみを売りにしているのならむしろ、視聴者が「これだ!」と思ったあとにタレントがだらだら考えている時間は無駄な時間である。よっぽどそこに、司会者からヒントを得ようとする「ふしぎ発見」的なエンターテイメンとか、タレントに絵を描かせてそれを楽しませるという要素でもなければ……。
そもそもクイズ番組というもの自体が旧態依然とし過ぎているのではないか。回答時間を本当に30秒も1分も取る必要があるのかは検証が必要である。作る側としては、クイズ番組をよく見るファミリー層は昔ながらの番組形式が安心すると言いたいのかもしれないが、ネットのない時代から変化のないやり方をしていたのでは、みんなネットに取られてしまうだろう。視聴者を楽しませたいならそれこそもっと視聴者参加型の番組にするべきだし、視聴者が得をするやり方だっていくらでもあるはずである。1位になったタレントに海外旅行をプレゼントするとか意味が分からない。
視聴者がクイズ番組に望んでいる事は、視聴者参加型にして賞金がもらえる様にする事と、馬鹿みたいな「答えはCMのあと!」をやめる事である。映像として完成しているドキュメンタリーの部分に見応えがあり、クイズが始まってスタジオに場面が移るとちょっと退屈に思ってしまう「ふしぎ発見」的な番組はクイズ部分をカットした方がいい、まである。
まあ、ネット時代において視聴者参加型が難しいのは分かるので、やれるとしたらとりあえずここからか。クイズ番組のあり方として、タレント相手に答えさせるならば、
「10秒でお答えください」
ぐらいのカジュアルさでやってみる事。タレントがワイワイやっているところはカットしまくって、徹底的にクイズに特化させてみて、ポンポン出題しまくる。ごく普通のクイズ番組を回答時間10秒で作ってみてはどうだろうか。早押しではなく普通のクイズ形式の番組をね。