「浜辺の、美しい、波!」
出典元、いつかのテレビ番組「行列のできる法律相談所」より。浜辺美波初登場回。
女優の浜辺美波が注目され始めてもう数年。めっちゃ可愛いな、あの映画の演技凄かったよ、など感想も色々あるだろうが、しかしとりあえず真っ先に皆が思ったのは名前だろう。浜辺美波(はまべ みなみ)、こんな美しい名前があったのか、そして、まだ使われていなかったか――。いやまあ一般人でその名前の人もいただろうし、というか今現在同姓同名も普通にいるだろうが、有名人で登場したのが初な上に、これだけの美少女となると、またインパクトが凄い。この共感は芸能界にも響いていたのだろう。浜辺美波が初登場した回の「行列のできる法律相談所」で、以下のやり取りが繰り広げられた。
初登場と紹介されて、東野幸治が思わず漏らす。
「なんちゅう芸名」
それに浜辺美波が答える。
「あ、本名です」
隣の阿川佐和子が感動して言う。
「海の精みたいな名前じゃない!」
みんなが口を揃えて言う。
「浜辺の、美しい、波!」
これである。おそらく全国1000万人ぐらいが思っていた事を、正しいイントネーションでリアクションしてくれた瞬間だった。浜辺美波。この名前はさすがにビビるわ。「美」という字が女の子の名前にこれだけ使われているというのに、まさか苗字とのコラボレーションでここまで綺麗な字面(じづら)を作れるとは。変な意味で親の顔が見てみたい。コピーライティングと言っては語弊があるが、このネーミングはもう芸術の域である。そしてしかし、この感想には続きがある。あってしまう。
続けて流れる様に、フットボールアワー後藤が言ってしまったのである。
「こうなってくれたから良かったですよ」
言ってしまった、そのセリフ。ほんとそれ。言い方は酷いけど、ほんとそれ。名前がこれだけ美しいのに、本人の美しさが名前負けしていない。名前負けしないで良かったが、よっぽどでない限り名前負けしただろう。それを後藤は言ってくれてしまっちゃったのである。そして芸人軍団の悪ノリはブレーキが利かず、そのあと「そうそうそうこれやったら!」ととばっちりでブルゾンちえみがいじられる酷い展開となる。ブルゾンちえみが本気で嫌がっていたのが可愛そうだったが、責任はいじった彼らにあるので悪いのは全部東野たちである。
浜辺美波も最近はバラエティ番組にちらほらと出る様になり、そのとぼけた性格がおそらく好評を博している。根っからのバラエティタレントというのではないのでフリートークが凄い上手というのではないのだが、頑張って答えた内容がいつも想像の斜め下だったりして「かわい~」的な笑いを誘いやすい。おそらく天才型天然の部類だと思われるが、仮にブルゾンちえみが同じ事をやってそれで済まされるかと言われたら違うと思うし、彼女の感想にはどうしても可愛い補正が掛かってしまうのかもしれない。