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バスケ漫画”スラムダンク”桜木花道命名「庶民シュート」レイアップシュート

投稿日:2020年4月16日

「庶民シュート」

出典元、井上雄彦の漫画「スラムダンク」より。バスケットボールの「レイアップ」、「レイアップシュート」の別名。

別名と言うか主人公の桜木花道(さくらぎ はなみち)が勝手に呼び出した名称。ダンクに比べて地味な事から、ダンクの出来る自分の様な天才ではなく庶民が使うシュートだ、という意味を込めて命名してしまった。酷い蔑称である。……が。なんだこのセンスは。呼びやすさと使ってみたさが半端ではなく、漫画やアニメで桜木花道が「庶民シューット!」とやっているのを見て、バスケ部のみならず体育のバスケの時間や休み時間のバスケットコートで学生が皆、真似し始めたのである。だって、ダンクは出来ないし。ジャンプシュートはただのシュートだし。「庶民シュート」は”スッ”っと決まるととても格好いいし!

「スラムダンク」は、……説明の必要もないレベルの有名漫画、という事でいいだろう。なにかの大きなアンケートで、これまでの全ての漫画で一番面白いランキング、の1位を取っていた。面白さも人気も知名度もマックスのバスケ漫画である。最近新装再編版を出したが、余裕で売上ランキングを荒らしている。連載していたのは売上絶頂時の少年ジャンプ。ネットもスマホもない頃、少年たちの娯楽と言えばテレビ、ゲーム、そして漫画だった。「スラムダンク」が連載され、人気を博していた当時、野球部やサッカー部に比べてややマイナーだったバスケットボール部は、圧倒的人気で部員数を増やす事となった。たくさんの少年たちの人生に影響を与えたと言ってもいい漫画である。それだけの影響力があったし、大変な人気だった。「かめはめ波」は撃てないが「庶民シュート」は打てる、そういうところもあったのかもしれない。

さて、「庶民シュート」に関して。「レイアップ」に関してとも言うが、知らない人に説明するとドリブルからのシュートである。ゴールの下まで行って、下から持ち上げる様に放つシュートである。フリースローなどの普通のシュートとは持ち手が違う。しかしバスケットボールのシュートとは、大前提として近いところから打つほど成功率が高いのである。つまりスリーポイントシュートの様に遠くから打つものは成功率が低いし、ダンクの様に直接リングに叩きつけるものは成功率が高い。そして「庶民シュート」もまた、リングに近い位置からのシュートなのである。バスケは攻守の選手が走り回るため、タイミングによっては一人で相手ゴールの下に到達する場面も出て来る。その時打つシュートはほぼ、「庶民シュート」なのである。なぜなら成功率が高いから。逆にフリーのそういう時に外すと恥ずかしい。ダンクをする選手もいるが、そもそも身長が必要なので出来ない選手がいるのと、相手を蹴散らして強引に入れるシュートの側面もあるので、普通フリーで打つなら「庶民シュート」だろう。

「スラムダンク」では「置いてくる」の表現と共に、漫画でもアニメでもボールを直接リングに入れてしまう打ち方の多い「庶民シュート」だが、実際はリングの後ろにあるバックボードに当てて入れるのが一般的な打ち方である。バックボードのどの辺に当てるのがいい、なども決まっていてコーチはそう指導する。まあ、実際にやってみると身長の個人差もあるので、感覚で掴むところの多いシュートである。どちらかと言うとシュート自体のスローイングより足運びの方に慣れが必要となる。ボールを持ったまま3歩を歩くと反則になるバスケットボール、そこをドリブルから”スッ”と決めると格好いいのが「庶民シュート」である。

ほかのバスケ漫画で「庶民シュート」と使いたくなった漫画家も多いだろうが、さすがにもろに「スラムダンク」の真似になってしまうので使えないだろう。そして一瞬でも「スラムダンク」を連想されたら意識がそちらに持って行かれる。絶対に使えない、「スラムダンク」に取られてしまった名称である。作品タイトルのシュートでも、作品のラストで放たれたシュートでもないが、「庶民シュート」はまさに「スラムダンク」を象徴するシュートと言えるだろう。

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