「メテオスマッシュ」
出典元、スーパーファミコンのゲーム「ドラゴンボールZ 超武闘伝(すーぱーぶとうでん)」より。孫悟空の必殺技。
「メテオ」と聞くと「ファイナルファンタジー」の魔法を連想する人も多いだろう。「メテオ」は英語で隕石なので、魔法の「メテオ」はそのまま隕石を落とす魔法である。「ファイナルファンタジー」シリーズでは主に終盤で手に入る強力な魔法で、「フレア」と共に作品を代表する最強魔法と言えるかもしれない。「フレア」も太陽フレアだしどちらも自然現象である。ちょっとだけマイナーな、でもなんとなく聞いた事のある用語を、よくここまでの存在にしたものである。
しかし「メテオ」については、これもゲーム用語でもう一つ用例が存在する。それが「メテオ技」である。これは「ドラゴンボール」のゲームで使われたのが始まりだったと思われる。スーパーファミコンのゲーム「ドラゴンボールZ 超武闘伝」は、ドラゴンボールを比較的シンプルにゲーム化した対戦格闘ゲームだった。ドカバキ殴り合ったり空を飛び回ったりかめはめ波を撃ち合ったりと通常の対戦格闘ゲームの枠を広げ、ドラゴンボールならではの戦いが楽しめる本作だが、その中の一つに孫悟空の必殺技「メテオスマッシュ」があった。この技は相手を上空に蹴り上げたら、その上に自分が”シュン”と移動して、そのまま相手を地面に叩き付け、最後に横に吹き飛ばす連続技である。この動きがつまりドラゴンボールっぽくて格好良く、と同時に現実ではありえない動きなのでまさにゲーム的な技と言えた。現実では上空にそんな相手を蹴り上げられないし、”シュン”とそこまで高速移動も出来ない。
「ドラゴンボールZ 超武闘伝」では特に爽快感のある技だったのか、最初の作品では悟空しか使えなかったが続編でどんどん使用可能キャラが増え、バリエーションも増えた。とにかくドラゴンボール感が凄く出ていた技だったのだろう。あの両手を組んで相手に叩き付ける技はなかなか格闘技でも見掛けないし小指が痛い。それは次第に「メテオ技」と呼ばれる様になり、定着していった。「メテオ」なのは隕石の様に上空から地面に叩き付けるからである。元の「メテオスマッシュ」もその発想から付けられていたのだろう。シンプルながらも連想しやすく、「メテオ技」とはなかなかに格好いい。この用語は「超武闘伝」と、「マーヴル・スーパーヒーローズ」辺りでも使われていたが、対戦アクションゲームは横の動きはよくあるが上から下に叩き落とす挙動が重要なゲームはそんなにない。そんなにと言うか、……、
「大乱闘スマッシュブラザーズ」ぐらいしかない。
しかしその「スマブラ」が大ヒットゲームな事もあり「メテオ技」はゲーマーにとって重要な意味を持つ技となる。「スマブラ」は相手をステージから落とし合う格闘アクションゲームな訳で、そりゃあ下に叩き落とす技は重要であるし、落ちかけていた相手にトドメを刺す復帰阻止にも使える。そしてここに「スマブラ」に元から存在する「スマッシュ攻撃」が合わさり、下方向へのスマッシュ攻撃は「メテオスマッシュ」と呼ばれる事になる……。え?
現在「メテオ」「メテオ技」「メテオスマッシュ」、どれも「スマブラ」のメジャーテクニックとして当たり前の様に使われている。まったく、なにがどう転がってどんな名称が定着するか分かったものではない。「メテオ技」自体の初出が「超武闘伝」からのものか確証は無いが、少なくとも「メテオスマッシュ」の名前がこう転がってそう収まった事実はあるだろう。しかし「スマブラ」はZ戦士とまでいかなくても超人バトルなので、相手を上空に蹴り上げてからその上に自分が飛び上がり、そのまま相手を地面に叩き付ける事も可能なのである。はは~ん。
「大乱闘スマッシュブラザーズ」、まるでドラゴンボールだな!
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。