「絶対音感」
出典元、現実の音を、楽器などに使う音階で認識出来る能力。音楽をやっている人がたまに見せつけるなんか凄いスキル。
世界一”漫画の能力っぽい名前”の、実在する特技。
世界一かは知らないが……。いやしかし、綺麗に四字熟語だし「絶対」とか付いてカッコイイし、なかなかいい線行っているだろう。英語だと「Absolute pitch」(アブソリュート・ピッチ)でやっぱりカッコイイ。現実に存在する特技の中では少し、突き抜けたものなのではないか。この感じはアレか、生まれ付きの才能っぽい感じもあるからか。これが「僕のヒーローアカデミア」で”個性”として登場しても違和感がなさそう。実際、街の喧噪を音階で表現したり、一度聞いただけの音楽を即興で再現演奏してしまったりと、漫画の登場人物が使う様な特殊能力である。音楽に携わる人が持っていたら便利な事は間違いない。そして、音楽に携わらない人が持っていたらなんか凄くもったいない気がするので黙っていた方がよさそう。
が、本当の特殊能力、辞書を全暗記してしまうだとか、10桁の数字の掛け算を瞬時に暗算してしまうとかに比べればさすがにそこまでのぶっ飛び加減ではない。耳と脳が、音を認識する事に特に優秀なんだな、と言えるぐらいである。少年野球をやっている子の動体視力がほかの子より優れていたり、バランス感覚に優れた子が一発で自転車に乗れるのと同じぐらいだろうか。そうなるとこちらにも名前が欲しいところだが、……別にいらないか。
調べてみると「絶対音感」は先天的なものではなく後天的に身に付けられるものらしい。ただし幼少期に訓練していないと無理だとの事で、親が子どもに音楽を習わせていたら習得出来そうなものである。両親が音楽関係の仕事だったりすると、子どもにもピアノなど楽器を習わせるパターンはよくあるため、その場合は「絶対音感」の事も知っているだろうし、覚えさせようとして教えるのだから習得率はかなり高いだろう。
しかしこの「絶対音感」という名称については、「相対音感」があってその対義語として付けられただけという事らしい。つまり完璧とかパーフェクトとか「ずえー……ったい!」というニュアンスとは異なる。あくまでも「相対音感」の逆。「相対」の逆なら「絶対」になってしまうのは仕方がない。そして「絶対音感」がないと音楽関係でアレが出来ない、コレが出来ない、というのはあまりないが、むしろ「相対音感」がないと音楽関係は厳しい、と言われているらしい。でもそれって……「相対音感」がないって要するにオンチで、それだと音楽関係は厳しいだけでしょ、当たり前じゃん、という感想になるだけだが。
先天的なものではないという事なので、訓練で覚えられるとなると覚えさせておいて損はない能力な気もする。ネタにもなるし明らかに凄いし、周りからも凄いって言われそうだし、音楽に携わる人にならなくても、そういう特殊能力があるとそれだけで楽しそうである。まあ、一度覚えたら二度と忘れないのなら、の話だが。