「深呼吸」
出典元、ラジオ体操第一……、でなくてもただの大きい呼吸。説明する様なものでもない。
……ま、大きくゆっくりする呼吸が「深呼吸」である。一日のどこかのタイミングで普段からやっている人もいれば、日頃全くしない人もいる。おそらく、しない人にとってほど、たまにする「深呼吸」は多少の「治療」となるのだろう。主にパソコンを主体としたデスクワークをしていて、一日中座ったまま体を動かさない人などは、たまに首を回したり伸びをするだけでなく「深呼吸」する事により、脳に血液が回る効果を感じられて心身共に回復する。プラシーボ効果かもしれないが多分、回復する。回復すると思い込みながらすれば、プラシーボ効果によりどうせ回復する。そしてこの場合、大きいのは血流の問題かと思われる。
が、……心身ともに回復するが、どちらかと言えば大事なのは「心」の回復である。特にイライラしている時、焦っている時、恥ずかしい事があって全てが空回りしている時などに有効であり、そういう時ほど効果が絶大である。「一旦落ち着け!」というやつで、スポーツの試合ではないが普段の精度が全く出せないぐだぐだの状況に、非常に使える。そういう時に限って自分からはなかなか気付けず、目の前のやる事に手を動かす事しか出来ない状況になっているので、周りの人がコーヒーでも持って行きながら「深呼吸」を勧めてみるといい。それを言うならコーヒーを飲んでひと息付くのも合わせ技としてかなり威力が高いので、知っておくといい。やる事自体は簡単である。ドラマの見過ぎな意見かもしれないがっ。
しかし実際、やるだけやった方がいい事というのはいくつもある。それこそ体を動かさない人のストレッチがそうだし、日頃から水分を採らない人は採った方がいいと言われるし、声出しがいいリフレッシュになる事もあるだろう。そこでじゃあ、どれが簡単かと言われると、「深呼吸」の簡単さはやはり群を抜いていると言わざるを得ない。なにしろ道具が要らない。伸びですら場所を必要とするが、「深呼吸」ならそれこそキーボードを打ちながらだって出来る。特に体を動かさない仕事の人は時間を決めて毎日数回、こっそりでも堂々とでも「深呼吸」する習慣を付ければ、目に見える良い効果はないかもしれないが悪い事もまずないだろう。
意識としては敢えて言うなら、学生時代は強制的に体育の授業で体を動かす環境にあったが、デスクワークでは自分で意識しない限り体は動かさない、ところだろうか。ジムに行く、ジョギングをするとなると大仰な話になるが、しかし補助的な意味でもたまにするストレッチが有効、それも他人の目があるというなら、せめてこっそりと「深呼吸」だけでも、といったところだろうか。
ただしたまに運に左右され、それまで澄み切った空気だったところで「あ、そうだ」と思い立って「深呼吸」をしたところ、その瞬間に異臭が立ち込めて、したと同時に後悔するといった不運に見舞われる事もある。