「旬の味覚を満喫 奥尻のカモメたち」
出典元、テレビ番組「NHKニュースおはよう日本」より、メインは画像である。当時、それを見た人たちが騒然となった。
このフレーズはテロップであり、テレビ画面に映っていたのはそのまま、旬の味覚を満喫するカモメの映像である。問題はその旬の味覚なのだが、ウニなのである。そして自然の捕食の光景なので、ウニはもちろん殻に入ったままである。あの黒いトゲトゲを、カモメはなんと丸呑みしてしまったのだ。そしてその後どうなったかという説明もなく、「満喫」のひと言でその場を納められてしまったので始末に負えない。絵本的なオチのある話なら、ウニのトゲが痛くてカモメが吐き出してしまい、ウニはこういう風に身を守って生き残っているのです、というところだが、とにかくどうなったか分からずそのシーンは終わってしまったので、見た人の不安が収まらない。吐き出すならまだしも、トゲが喉につかえて大変な事になってしまうまで想像が出来てしまう。大丈夫なのか……?
と話題になり、いくつかのサイトでまとめられたりしたが、専門家の書き込みもあり、結論から言うと大丈夫らしい。カモメはウニを丸呑みした後、中身だけ食べて殻を吐き出せるそうで、問題ないそうだ。つまり本当に「旬の味覚を満喫」していたのだ。どういう食道と胃の造りをしているんだ、という話だが、カラスも出来るそうなので鳥というものは意外と内臓が器用なのだろう。そういえば砂肝に石を入れて消化を助ける、なんて器用な事をしているのも鳥類か。どこまで固い物まで処理出来るのかは分からないが、便利なものである。ウニの殻が行けるのなら相当攻撃力のあるものでも行けるのだろう。牡蠣とか。無理か。
イメージ的にはニシキヘビなどの大蛇が、ヤギや牛などのとんでもない大きさの動物を丸呑みしてしまった的なギョッとするエピソードである。あれはあれで限度を超えるとヘビ側も危険だそうだが、その限度が普通に考えるのよりかなり大きいので、話題にもなるのだろう。ヤマアラシを丸呑みしたヘビは、さすがに死んでしまった様だが……。
しかしカモメに戻ると、ちゃんと満喫しているとなると、ウニを食べまくっているのが普通に羨ましい、という話になる。密漁だ。しかしカモメに人間の法律は適用されないので、ただの捕食である。旬の味覚を本当に旬の旬に満喫出来るのは非常に羨ましい。産地直送どころか産地直食である。とっ捕まえたいところだが、それはそれで人間の法律で禁止されているのでカモメの方が立場が強い。カモメに食べられる前に先にウニを確保するしか出来ないのが、人間様のつらいところである。