「ダブルチェック」
出典元、仕事などで使われるチェック方法の一つ。仕事以外にも使える。
簡単なのに、とても効果的な手法。効果的なので既にあらゆる分野で起用されている。別に難しい話ではない。重要なチェック事項があるのならば、一回ではなく二回、チェックを行うだけである。ただし、同じ人が時間を空けて二度行ったり、二人でやるにしても二人で全く同時に行う場合は効果が薄かったりする。それは、同じ人の場合は一度目OKだったとの思い込み、二人同時の場合は相手も今チェックしているという気の緩み、などの雑念が入るためである。しかしそこに注意して、別々の二人が時間差で行えば非常に有用である。
チェックする際、例えばその二人に上下関係があるとこれもまた少し雑念が入る事になる。上司がチェックしたあと部下がチェックするとなると、上司のチェックという安心感と責任の低さがあるため、部下のチェックが緩くなってしまう可能性がある。逆に部下のあとに上司がチェックする場合、責任の重さだけでなく「ミスを見付けて指摘してやろう」という感情が多少入るため、チェックが厳しくなる。しかし上下関係で緩くなったり厳しくなったりしていいものではないのである。
つまりいかなる状況でも”ミスを見付けるつもりでチェックする”事が肝要である。そうでなければチェックにならないし、ダブルチェックの要件も満たさない。重要度によっては軽い報酬をあげてでも、ミスを防ぐ必要がある。それは”わざわざダブルチェックをしているのにミスがスルーされてしまった”というガックリ来るパターンを防ぐためでもある。当たり前の話だが、一人が完璧にチェック出来るのならダブルチェックする必要などないのだから……。
これが個人が完全に一人で行う業務となると上に書いたダブルチェックが不可能となる。しかしやるのとやらないのとではまた違うので、妥協案として、自分で時間を空けて二度チェックする事になるだろう。ただ、個人となると制作者も確認者も責任者も自分な訳で、おそらく二度では済まず集中して三度、四度のチェックをする事になるだろう。労力的にはネックとなるが、通過後にミスが発覚する可能性を考えれば仕方のない事であるし、そうしている人も多いと思われる。そしてそこまで行くと、ちゃんとしたダブルチェックの精度に劣らないレベルの正確さを担保出来るのかもしれない。
既に出来上がっているシステムなどでも人為的なダブルチェックが組み込まれている職場は多いはずである。それは上司の承認とかではなく、日々何回も何十回も繰り返す流れの中にも普通に組み込まれていたりする。それだけダブルチェックというものはミスを見付けるにあたって有用なのである。たまにある、「昔から使われているシンプルなやり方」のうちの一つだが、昔から使われているという事はそれだけ実用的だから、という事でもあるからである。