「魔封波がえし」
出典元、漫画「ドラゴンボール」より。必殺技名。
ドラゴンボールの世界。かつて世界を恐怖のどん底に陥れた、ピッコロ大魔王。それに力ではかなわないとみて、亀仙人の師匠、武泰斗が編み出した必殺技が「魔封波」である。お札を貼った電子ジャーに封印するというもので、ちょっとキョンシー風でコミカルながらも”倒せないまでも閉じ込める”という行為が非常に分かりやすかった。「魔封波」を使用した人は死ぬ、という設定で、少し予定調和的な感じがしたが、ピッコロ大魔王を封じようとした際は皆、命懸けで頑張っていた。現在では格上相手に使うと体力をひどく持って行かれるという事になっているようだ。
問題は「魔封波がえし」である。
世の子どもたちがドラゴンボールに熱中し、「か~、め~、は~、め~、波ー!!」などとやりまくってる中での新技登場だった訳であるが……。亀仙人は失敗したが、天下一舞踏会に現れた、人の体を借りた神様、シェンがマジュニアを封印するべく「魔封派」を放った。しかしその「魔封派」は、マジュニアの「魔封波がえし」によって阻まれてしまった。逆に神様が封じ込められてしまったのである。問題はどこか。そう、「がえし」の部分である。
子どもたちが公園で遊んでいる。
「魔封波ー!」
「魔封波がえしー!」
それで済むはずがない。なんのッ!
「魔封波がえしがえしー!!」
「魔封波がえしがえしがえしー!!」
こうなるに決まっている。こうなるに決まっているのだ。なんと罪作りな技であったろうか。
「かめはめ波ー!」、「魔貫光殺砲ー!」、「気円斬!」、ドラゴンボールの必殺技は数あれど、それ専用の返し技がある技なんてこれしかない。しかも「魔封派がえし」の語感がいい。「魔封派がえしがえし」の語感までいいから始末に負えない。なんということでしょう。
「魔封波がえしがえしがえしがえしー!!」
「魔封波がえしがえしがえしがえしがえしー!!」
永遠に続く。続くよ? 子どもなんだからしょうがない。ドラゴンボールが面白いんだからしょうがない。遊びなんだからしょうがない。あの頃、子どもはみんなドラゴンボールにハマっていた。「ドラゴンボールZ」が新作を追っても、再放送の「ドラゴンボール」が夕方にやっていたのだからエンドレスである。5/8チップスもビックリである。正直言って、大人もハマっていた、ジャンプも売れまくっていたし、アニメも観ていた。ドラゴンボールの話題なら誰でも着いて行けた。すさまじい漫画である。なんてこった。連載が終了する時に、関連各社の幹部が集められて会議が行われたというのもうなづける。大したものである。
あ、魔封派だが、「まふうぱ」と読みがちだが「まふうば」と読む。「ドラゴンボール超」でも出てきたのでひたすら古い話題でもない。間違えないように。