A「そのカードがあると何ができるの?」
B「転売」
出典元、2ちゃんねるスレッド「「築地銀だこ」、たこ焼き8個入りに『鬼滅の刃』のカードがついて880円」より。どこかの二人のやり取り。
「築地銀だこ」は、関東圏で人気のあるたこ焼きチェーン店である。油でコーティングしたカリカリ仕上げのたこ焼きとトッピングの多さ、そして値段の高さに定評がある。基本的に6個500円。全国展開しているチェーン店だが、関東発祥な事もあってやや関西圏の人から敵視されがちな存在だったりする。あの仕上げに油をぶっかけて強引にカリカリにしたたこ焼きが関西人のしゃくに障るらしく、値段の高さもあってまあ叩かれやすい。しかし関東人としても別に関東のたこ焼きはああいうものだ、と言うつもりもないし、油ぶっかけは「銀だこ」独自のものなのだが、たこ焼きチェーン店というのがあまりないのも確かだし「銀だこ」が関東から広まったのも確かなので、反論したものかフォローしたものか扱いに困る存在である。
そしてその「銀だこ」に「鬼滅の刃」とのタイアップ企画のニュースが入る。ちょっと値段が高くなってオリジナルデザインのカードや、クリアファイルが付いてくる。もちろん種類はいくつかあって、買った時に種類は選べない。ランダム販売、コンプリートに苦労する例のやつである。しかしたこ焼きはたこ焼きなので、全く関係のないこういったおまけ商法はそれだけで毛嫌いする人もいる。そんなもの別に、ただの営業活動だし、コラボ企画なんてどこでもやっているのだが、とにかくこういうキャンペーンに文句を言いたい人は居るのである。たこ焼きを買って、アニメのカードが付いてくるからなんなの? なんの価値があるの? 何ができるの?
A「そのカードがあると何ができるの?」
そしてこの返しである。
B「転売」
お、おう……。
そりゃあ転売は……、出来ますわな。コレクションと言ったら馬鹿にされそうなところだったが、「転売」と言われると相手も閉口である。そう、そのタイアップ作品は「鬼滅の刃」なのである。「鬼滅の刃」は、コラボグッズなどが発売されるとあっという間に転売目的で買い占められてしまう事で有名な作品であり、これまでもたびたび転売ヤーの餌食になっている。買う事が悪いのではないのだが、買い占めて値段を吊り上げて転売し、利益を得ているため嫌われているのが転売ヤーである。買い占める事で明らかに他人に迷惑を掛けている。そしてルール上は完全に禁止されていないそこを突いて、マナー上よろしくない事を平気でやっているので、嫌われているのである。
しかし考えてみると、コンビニくじが一部の人に買い占められたりイベントのグッズが買い占められたりするのとは、今回は少し事情が違う。賞味期限の短い「食品」におまけが付く場合、”そんなに食べられない”という要素があるからである。今回「限定特装箱」8個入り880円でカードが1枚付いてくる。クリアファイルの方は「だんらんパック」で24個入り1680円である。どちらをどのくらい買うにせよ、買い占めるぞーと言って買ったたこ焼きを一人で50個も100個も食べ切れるものではない。家族や知り合いに配るにしても限度というものがある。
これに対して転売ヤーはどう動くか。まさか……、気にせず買いまくって食べ切れないたこ焼きは捨てるのか? これが「銀だこ」や「鬼滅の刃」権利所持者の集英社からの挑戦なのか、実験なのか、はたまた特になにも考えずやっているだけなのかは、不明である。不明だけどたぶん……あまり深く考えてない空気は感じられる。大量に買ったたこ焼きを捨てられたりしたら、作ってる人とたこ焼き好きと使われているタコが泣くぞ!