「しゃべった。22年ぶりにヒロインがしゃべった(°▽°)」
出典元、月2回刊の漫画雑誌「ヤングアニマル」2018年7号より。「ベルセルク」の漫画家、三浦建太郎の巻末コメント。
ひとごとかっ。
日本においてレジェンド級の漫画というものはいくつかあるが、完結しておらず、ファンから「ちゃんと完結するのか?」と心配される作品となると一気に限られて来る。あえて作品名を挙げるなら、「HUNTER×HUNTER」、「ベルセルク」、「ファイブスター物語」、「D.Gray-man」の4作品があるだろう。この辺りは個人によって思い入れのある作品は違うだろうが……。「ちゃんと完結するのか?」は基本的には休載と隣り合わせの作品だからである。全て何度となく休載している不安定作品でありつつ、何度となくアニメ化された人気作品でもある。
で、「ベルセルク」である。隔週刊というか月2回刊の「ヤングアニマル」で大昔から連載している、日本を代表するダーク・ファンタジー作品である。身の丈を越える大剣を振るう主人公ガッツのインパクトは、その後漫画界やゲーム界に与えた影響は果てしなく、しかし本作品の魅力も衰えず、幾度となく休載を挟みつつも現在隔号連載中である。隔週刊の雑誌で隔号連載なのでつまり月イチ連載。「ヤングアニマル」を買う人は「ベルセルク」を読むためと言っても過言ではない時期が長らく続いた。今は「ベルセルク」と「3月のライオン」を読むため、の人が多いだろう。
さて、「ベルセルク」。「22年ぶりに」という強烈なワードが出現しているが、「22年ぶりにヒロインがしゃべった」のは、本気、ええと、マジである。ヒロインのキャスカは、ヤングアニマル刊行年で言うと1996年の87話「誕生」以来、頭がおかしくなって「あう~」とかしか発していない。そして最新話である355話「木漏れ日の下で」において、遂に回復した。漫画の展開としてはそこそこある話だが、リアル時間で22年というのは果てしない。物語や主人公ガッツの目的としてもそこにあったので、感慨深い読者も多かったのでは無いだろうか。ちなみに作中年月ははっきりとはしないものの、おそらく2、3年というところなのでせいぜい20台前半のキャスカは作者の画力向上もあり超絶可愛い事になっており、デコレーションのおまけもあってファン待望の展開はとても見応えのあるものになっている。しかしトラウマ的なものは残っている様であり、次号どうなるか油断を許さないのがダーク・ファンタジーの金字塔である「ベルセルク」ならではと言ったところか。とりあえず月2回刊の隔号連載と告知されている「ベルセルク」が、ちゃんとその次回に載っているかがファンの論争の種である。はぁ……。
で、こんな伝説のダーク・ファンタジーを描いている三浦建太郎であるが、巻末コメントが緩いというか、多くの読者にトラウマを残した「蝕」の頃に「サクラ大戦」がどうとか書いていたりしてオタク寄りな事になっている。まあ作品と作者は別なのでそれは構わないし、むしろ愛着を持てる要素なのだが、この長い年月、体を壊したりアイドルマスターにはまったり、果てには萌え要素のある単発漫画を描いたりと自作の完結を心配されている漫画家にしてはやってる事が比較的フリーダムである。いや、いや、それも別に構わないのだが、それは「ベルセルク」を休載しなければである。休載しといてへらへらされるとさすがに文句の一つも出るものである。が、特に体調面では結構厳しい話も聞こえて来たりして、そうなるとあまり言えないのがファン心理である。続きは読みたいのだが……。
だがしかしやっぱりひと言、言いたい。
「しゃべった。22年ぶりにヒロインがしゃべった(°▽°)」
ひとごとかっ。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。