「ルーズリーフ」
出典元、文房具の名前。学生がもれなくお世話になる便利なノートの事である。
もれなくお世話になる、は言い過ぎた。使わない人もいるだろう。しかし便利だという事は変わらない。よく思い付いたものだ、と思う商品の一つである。発明されたのは1854年らしい。思ったよりは歴史があるが、最初は出版された本の内容差し替えに、出版のし直しが面倒なので考案された様だ。これをノートとして改造した人は偉い。今では無くてはならない文房具の一つだろう。
最近ではいろいろと種類も増えて来ていて、中央の留め金が金属でなくプラスチックだったり、パチンと止めるのでは無く斜めに止める形状だったりバリエーションに富んでいる。しかしまあ下手な独自性を持つと差し替えである紙の規格に影響が出てしまうので、それなりな範囲で独自性を出しているのだろう。こういうものは文房具メーカーが数多く出してみて、ユーザーの使い勝手よって良い物だけが残っていく、悪い物が淘汰されていくので消費者としては非常にありがたい。どんな冒険心あふれたアイデアが生き残るか分かったものでは無いのである。ちなみに”ブランド志向でおっしゃれ~”なノート類には魅力を感じない。
ルーズリーフの基本的な特徴として、”ページの入れ替えが可能”という要素がある。これにより、授業によってノートを分ける必要がなく、適当なページにノートを取ったあと、その教科の場所に差し替える事が可能になる。ある意味、アナログであるノートにデジタルなワープロ要素を取り入れたと言ってもいい画期的なシステムである。まさに”ルーズ”。ルーズをいい意味で使えている希有なパターンと言えるのでは無いか。世の中、ポジティブシンキングが大切である。
さらにもうひとつ、ルーズリーフの短所として「リングが邪魔」というのもあるが、最近ではその、右利きで左側に手の当たる真ん中の部分にリングのないルーズリーフなども出ている。まあ、大した発案とも思わないが、そういうのが淘汰されて行くのだろう。ルーズリーフの長所である、”外して書き込める”を使えばなんの問題もないからだ。しかし文房具好きにはそういう商品が出ていると「おっ」と思って使いたくなる事もあるだろう。中身のノートは消費するがファイル部分はずっと残るのが、失敗商品の残念なところである。が、まあ、それも文房具の楽しみ方の一つか。
個人的にはプラスチックで弱めのものより、金属でガッチリと留まってくれる方が好みである。が、リング自体が大きいと重いし、幅も取ってしまう。しかしプラスチックの不安定さはやはり金属に劣る。なので小さめの径の金属のリングなどがいい感じである。しかし答えなどは無く、使う人の好みと使い方次第だろう。社会人のシステム手帳にはあまり使われていないイメージがあるが、学生からの続きで使ってみると意外と使える商品の一つだったりする。発明した人はノーベル賞を取った方がいいが、もう死んでるからやっぱりどうでもいいや。