「なんでここに先生が!?」
出典元、蘇募ロウの漫画のタイトル、ではなく筒井大志の漫画「ぼくたちは勉強ができない」におけるよくあるシーンの通称。もとい、最近増えて来たシーンの通称。
「ぼくたちは勉強ができない」は、古味直志の漫画「ニセコイ」が終了後、ラブコメ枠として週刊少年ジャンプで連載中の漫画である。「ニセコイ」の替わり感が強いのは、筒井大志自体が「ニセコイ」のスピンオフ作品を公式に「少年ジャンプ+」で連載していたせいで、絵もかなり近いところがある。とはいえ、週刊少年ジャンプのラブコメとして長期連載記録となった「ニセコイ」の後に入って来た時は、ジャンプだけにいつまで続くか、という感想を持った人は多かっただろう。勉強ものというなかなか渋い要素をラブコメに乗せているのも、新しいが冒険である。サブタイトルは毎回分かりにくい。
しかしまあ、「ニセコイ」枠のラブコメものである。主人公の男、唯我成幸(ゆいが なりゆき)に対し、初期は「理系」こと緒方理珠(おがた りず)と、「文系」こと古橋文乃(ふるはし ふみの)が登場し、主人公が彼女らに勉強を教える係になるというダブルヒロインものの様相を呈していた。もともとそのつもりだったのかもしれない。しかしあっという間に3人目の武元うるか(たけもと うるか)が登場し、トライアングルどころではない展開になる。この時は少しテコ入れ感があった。武元うるかは「水泳」とでも言われているだろうか。ただし当然、それぞれごとに属性が設定されており、「水泳」は昔なじみで主人公に初めから惚れていたり、「理系」はバッティングキスイベントがあってからすごく意識する様になったり、「文系」は驚くべき事に”主人公に全く惚れていなかったり”と、多種多様である。
あと主人公には下の兄妹が多いので、一番上の妹が重度のブラコンでお兄ちゃん大好きっ娘だったり、連載も長くなって来て先輩キャラが出て来たりと次第と「To LOVEる」風味にハーレムの様相を呈して来ている。しかし現在、一番の問題は「先生」こと桐須真冬(きりす まふゆ)の存在である。比較的初期から登場していたキャラだが、「先生」なので高校生の他のキャラよりは年上である。しかし大人なので教師側の視点からの絡みがあったり、酒を飲んだり独り暮らしをしていたりと、他のキャラには無い要素が付与出来る。そしてこの漫画はラブコメなので女性陣はみんな美形なのだが、他のキャラが美少女だとしたら「先生」は美人である。まあ、そこまではいい。
学校でピシッとしたスーツを着こなし、生徒にはかなり厳しい「先生」が、家では非常にだらしない生活を送っているのである。まずジャージ姿で、部屋はいわゆる汚部屋である。主人公に偶然それを見られてからというもの、「先生」の私生活におけるポンコツっぷりが読者に好評だったのか他のヒロインを差し置いて異常に登場回数が増える事態になっているのである。掲載誌は週刊少年ジャンプである。「先生」回が他のヒロイン回よりアンケートが取れているのならそうなるのは当然とも言えるが、他のヒロイン回をやっておきながら最後に「先生」も登場してオチをかっさらうほど、最近は押しも押されぬ人気キャラとなっている。専門用語で言うところの……、ではなく他作品タイトルで言ってしまうところの、
「なんでここに先生が!?」
状態である。感想掲示板などでもタイトルそれにしたら、とか言われている。まさかいくつも年上の「先生」が、いつのまにかヒロイン枠に入っているとは。しかしメインに来てしまってはおかしいのは確実な立ち位置の人物であるから始末に負えない。とある掲示板から読者の書き込みを引用させていただく。つまりこういう状態である。
A「未だに人気投票はやってないんだっけ僕勉
絶対やらない方がいいと思う」
B「気持ちは分かりますが大変なことになりますよ!」
C「地獄の釜が開いちまうー!」
こういう状態、であった。地獄の釜は開いてしまい、キャラクター人気投票順位の
なんでそこに先生が!?
という、大変な事になってしまったのである。