「ねんがんの アイスソードをてにいれたぞ!」
出典元、ゲーム「ロマンシング・サガ」より。聖戦士ガラハドのセリフ。ちなみにモンスターを倒して手に入れたとかではなく、店で購入したのを自慢している。
ゲームのセリフとして非常に有名なものである。スーパーファミコンのソフトなのでかなり昔のものだが、このエピソードのインパクトにより語り継がれ、ネタとして、現在でもよく使われているほどである。ガラハドはNPCの様に街を歩いていて、話し掛けるとこのセリフを放つ。問題はそこでプレイヤー側に現れる選択肢である。
・そう かんけいないね
・殺してでも うばいとる
・ゆずってくれ たのむ!!
の3択である。
上下はまあ、問題ないだろう。問題は真ん中の選択肢である。RPGといえば主人公は正義、と油断しているとギョッとする目に遭う。「ロマンシング・サガ」はフリーシナリオシステムである。フリーシナリオ……。「殺してでも うばいとる」を選択すると、ガラハドは
「な なにをする きさまらー!」
のセリフを残し、戦闘シーンもないまま本当に殺害され、プレイヤーはアイスソードを手に入れるのである。そのまんまだが、そのまんまだが、……いいのかそれで。そう思ったプレイヤーは当時たくさんいただろう。でもアイスソードが手に入ったのはかなり嬉しい。アイスソードはシンプルな名前ながらも最強クラスの武器、しかし店売りアイテムという珍しい武器である。ガラハドも頑張ってお金を貯めて買ったのだが、シナリオの進行上、ガラハドより先に買ってしまうという手もなくはない。
ちなみにガラハド、NPCの様に歩いていると言ったが、仲間になる可能性のあるキャラクターである。選択肢の下、「ゆずってくれ たのむ!!」を選んだ際、あるフラグが立っていると仲間にするかの選択肢が現れ、仲間に出来る。もちろんアイスソードを装備した状態で、である。それが普通と言っていいのか、あまり仲間の出し入れにそこまで自由の利かないゲームなので、人によるとしか言い様がない。
さて、このセリフ、もとい、掛け合いが有名になったのは、もちろんこのゲームが100万本近く売れている人気ゲームだった知名度の高さが前提にあるが、その汎用性の高さにある。主にネット上で、レアな商品を手に入れた時などにこのセリフに当てはめると、ネタに気付いた人から主に「殺してでも うばいとる」のリアクションが得られるだろう。「ねんがんの 嵐のライブチケットをてにいれたぞ!」など、レア度が高い方が効果的である。嵐は例えが悪いか……。
特に効果的なのがチャットの出来るオンラインゲーム上で、実際にレアなアイテムを手に入れた時だろう。「ねんがんの エクスカリバーをてにいれたぞ!」などと言ってしまえば、周りから「殺してでも うばいとる」や「ゆずってくれ たのむ!!」の反応がある事請け合いである。ただ、本当にそう思って言われているのではない。お約束の掛け合いというやつである。素直に祝福と捉えればいい。まったく、25年前のゲームだというのに、現在でもごく普通に使われている。独特のセリフ回しと掛け合いに、異様なセンスを感じる。大した言の葉である。