言の葉の魔力

名言、つぶやき、掛け合い、ネットスラング、表現、ことわざ、アナウンス、歌詞、キャッチフレーズ、挨拶、名称、称号、まで。世の中にあふれる言の葉(ことのは)をうんちくを交えて紹介

ゲーム

任天堂「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U」同時開発タイトル

投稿日:2019年5月1日

「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U」

出典元、任天堂から発売されたゲームの、タイトル。ゲーム業界を代表する超人気シリーズである。

通称「スマブラ」。シリーズとしては最初の作品はニンテンドウ64のソフトで「ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ」というタイトルだった。任天堂のキャラクターのみの大乱闘である。任天堂キャラクターを集めての、同時対戦アクションものなんだな、というのが初めの世間の認識だった。実際、初代ポケモンの発売当初の様に、最初はそれほど話題にならなかった。発売元が任天堂なのでテレビCMはしっかり流していたものの、初週の売上は大したものではなかった。しかし、プレイした人づてでゲーム自体の面白さが広まり、次第に小学生から火が点き、大ロングセラーになった。発売から1年ほど経った頃に、新しいCMを作って流していたぐらい息の長いタイトルだった。こうしてキラーソフトは誕生した。

次回作はニンテンドーゲームキューブの「大乱闘スマッシュブラザーズDX」だが、ここから「ニンテンドウオールスター!」の表記が消えている。そう、任天堂以外のメーカーからのゲスト参戦が始まったのである。それからはもう、本当に良い意味でのキャラ数のインフレ、機能のインフレ、おまけ要素のインフレ、音楽への凝り方のインフレと、中身的な意味と著作権管理的な意味でゲーム業界を代表する”作るのが大変そうなソフト”へと進化を遂げていく。毎回、これが最後と思って注げるだけの力を注いでいるらしい。制作総指揮は「星のカービィ」の生みの親である桜井政博氏。天才クリエイターが環境を完備されて好きにしていいと言われたらこんな事になる、の分かりやすい悪い見本である。

ただ、制作者にとってはとても大きなしがらみが発生してしまった事だろう。クリエイター冥利に尽きるとも言えるが、逆に言えば作るのに3年とか掛かるタイトルを、ハードが出るたびに作り続けなくてはならない。それほど問答無用に売れまくる、超人気タイトルになってしまったのである。桜井氏は一時「スマブラ」以外のタイトルを作るためという事で独立し、個人会社を作ったが、結局その後も任天堂に頼まれてスマブラを作っている。ユーザーにしてみれば、新ハードが出たなら是非とも発売してほしいタイトルであり、任天堂にとってもそうであり、株主にとってもそうであり、桜井政博氏にとっては作り続けなければならない”呪い”に掛けられたようなものだろう。まあ、先に言ったようにクリエイター冥利に尽きるとも言えるのだが、他の大きな新しい事が出来なくなるのも確かである。「スマブラ」はそういう圧倒的なブランド価値が付いてしまった。

さて、「DX」のあと「X」が出て、続くタイトルが「for Nintendo 3DS / Wii U」である。「3DS」向けと「Wii U」向けなので別々の作品ではあるのだが、同時開発であり、多少の違いはあれどメイン部分である出演キャラクターは同じで、発売日も多少ずれたが実際は同じタイトルである。発売日的には一応、「for 3DS」が4作目で、「for Wii U」が5作目ではあるが、同じタイトルを別々のハードで出したマルチプラットフォームという扱いなのは名前で分けていない事からも分かる。初代が「初代」や「64版」、「DX」と「X」はそのまま、で呼ばれているが、それではこれは何と呼べばいいのか。

通称「スマブラ4」。

なるほど。同じタイトルと考えると「スマブラ」シリーズとしては4作目なんだ。「4」は「four」なので「for」ではないし、桜井氏もそういうつもりじゃなく偶然だったと言っているようだが、でも明らかに狙っているよね、と思った人も多いだろう。逆に言えば、じゃあどう略せばいいんだよ、って話にもなる。「フォースリーディーエス」、「フォーウィーユー」じゃ、何のソフトか分からない。「Z」でも「ゼロ」でも「Special」でも付けていればそうはならなかったはずなので、やっぱりそういう事なのだろう。「Special」は結局、この次回作の「ニンテンドースイッチ」版のタイトルで使われた。「フォー」のタイミングで特殊な同時発売をした事により、なんとなく、ナンバリングの難しいシリーズになってしまったのだろう。しかしまあ、ばんばか続編の出るタイトルでもないし、未来に渡ってまた2ハード同時発売がないとも限らない。「スマブラ」はこれからもナンバリングをしないネーミングで新作を出して行くのだろう。

-ゲーム

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

人気記事

1
 Twitter
成功の証は”新鮮みがないこと”?「西海岸で飲む、いつもの味」ブルーボトルコーヒーの”あいつ”松村太郎
2019/03/15
2
 アナウンス
“発表されない”抽選結果「当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます」落選メールぐらい欲しい
2019/12/30
3
 ドラマ
ここは俺がやる!海外ドラマ”24″ジャックバウアーの名言「本当にすまないと思っている」元ネタ
2019/06/25
4
 ウェブコメント・レビュー
凛として時雨”unravel”「腹から声出せ」→「やればできんじゃねえか!」アニメ”東京喰種”オープニング
2020/06/14
5
 著名人
“バトル・ロワイアル”作者の高見広春「十分稼いだのでもう新作を書くつもりはない」
2020/02/01
6
 歌詞
“紅蓮の弓矢”出だし「すいませんそこ右に家が」アニメ”進撃の巨人”オープニング
2020/06/06
7
 テレビ
ひろゆき名言集「それ明らかにあなたの感想ですよね」奇抜なロン毛の古谷経衡と屁理屈での殴り合い
2019/12/07
8
 漫才・コント
“パッション屋良”のお決まりのフレーズ「そうだね、プロテインだね」体操のお兄さん
2020/05/25
9
 漫画
刃牙”ビスケット・オリバ”「メニューは全てステーキに統一される」肉とワインで傷を快復
2020/09/11
10
 俗称・肩書き・称号
信用ならない漫画家「ファイアパンチの作者」”藤本タツキ”もうめちゃくちゃ
2020/10/26
11
 技
バスケ漫画”スラムダンク”桜木花道命名「庶民シュート」レイアップシュート
2020/04/16
12
 ネットスラング
話題のぶった切り「そんな事よりサメの話しようぜ!」急にサメと言われても
2020/05/28
13
 魔法
竜破斬”ドラグ・スレイブ”「時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において」スレイヤーズのリナ=インバース
2020/02/07
14
 ドラマ
ドラマ”TRICK”の上田次郎「なぜベストを尽くさないのか」どんな人へも刺さるメッセージ
2019/09/18
15
 漫画
こち亀でFF5「「オメガ」を倒すには魔法剣士の乱れ打ちが有効らしい そしてその時かける魔法はサンダガだ!」”魔法剣”、”二刀流”、”みだれうち”
2019/02/06
16
 ゲーム
“サガ2秘宝伝説”最強の武器?「ネコのツメ」すばやさが高いと攻撃力が上がる
2019/10/20
17
 超対話
“ニセコイ”作者の古味直志「もう何連載してもキムチキムチ言われるんだぜ?」「じゃあ次はフレアって言われることを目指そうぜ」
2019/05/23
18
 アニメ
エヴァンゲリオン”公式”体長「40m~200m」ガンダムの体長は知られているが
2020/03/24
19
 ゲーム
“FF10″ユウナの名言「いなくなってしまった人たちのこと 時々でいいから…思い出してください」
2020/05/18
20
 掲示板
“他に替えが効かない”「ニンニクのライブ感」家系/二郎系ラーメンの驚異的な中毒性
2019/07/24

サンセット

当サイトの記事では、創作物などのネタバレを扱っている場合があります。閲覧は自己責任でお願いいたします。