「これも いきもののサガ か‥‥」
出典元、ゲーム「魔界塔士 Sa・Ga」より。かみのセリフ。
ゲームボーイのソフトの為、漢字が使われていないが、かみとは神である。そしてラスボスである。
これほど綺麗に決まる物も中々ない、と思えるほど芸術的なタイトル回収である。このラスボスとの最後のやりとりだけでもゲーム史に残る言い回しと言っても過言ではない。タイトルの「サガ」について、ゲーム名も「魔界塔士 Sa・Ga」な訳だが、みんな「サガ」「サガ」言ってるだけで、アルファベットだし間に「・」も入っているしで特に意味も気にせずプレイしていただろう。ゲームの途中でも出てこない単語である。
しかし最後のラスボスとの会話で意味が分かる。「いきもののサガ」、つまり「生き物の性」だった訳である。「性」には「生まれつきの性質・性格」という意味がある。最後の会話で、神が化け物を呼び出して世界に混乱をもたらした張本人だったことが分かった。それを見て楽しんでいたという。化け物どもを倒し、ここまで辿り着いた主人公たちに神は何でも願いを叶えるという。しかしそのネタばらしを受けて、主人公達は神を許せない。そして神に戦いを挑むのである。それが「いきもののサガ」か。
プレイしていたら分かるが、このゲームにはたくさんの物語がある。抗争もあるし、災害もあるし、犠牲者もたくさん出ている。塔を登っていく物語だが、上階に行くほど絶望感も上がっていき苦難の連続である。神との会話に戦うかどうかの選択肢は出ないが、プレイヤーの心情としても、これら全ての元凶が神の遊び、ゲーム、暇つぶしと言われたら頭に来るだろう。まあRPGとして先へと道があり、最後にいたものがラスボスであることは明らかなのだが、それにしても上手く盛り上げる演出だった。
ちなみにパロディというか、そのまんまでも日常生活で使えないこともない。特産品のある土地へ旅行に行ったのに食べ物屋でカレーを頼んでしまった人に「これも生き物のサガか……」、ポイント10倍デーですと宣伝している店に吸い寄せられてしまう人に「これも生き物のサガか……」など、応用が利く。いや、上手いかは分からない。使う場合は相手がこのネタを知っている方が効果を発揮するだろう。
最後に全文ではないが、核心部分のセリフを引用しておく。締めのひと言でないのもまた、いい味を出している。
かみ「かみに ケンカをうるとは‥‥ どこまでも たのしい ひとたちだ!
どうしても やる つもりですね。これも いきもののサガ か‥‥
よろしい。しぬまえに かみのちから とくと めに やきつけておけ!!」
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。