「○○駅から徒歩10分」
出典元、住宅や会社、お店などの地図によく添えられているサバを読み過ぎな案内文。早歩きが前提なのかよ、と思うものが多い。
というか早歩きでも無理でしょこれ、というものが多い。明らかに15分かかるところを8分ぐらいに攻めているパターンが多い印象がある。誇大広告の一種であるが、「○○駅から徒歩10分」の記載だけならば、電車を降りてからなのか改札を出てからなのか駅の屋根を過ぎてからなのかを書かない事により、「嘘ではないが真実の全てでもない」の言い訳が成り立ち、「○○駅の屋根を出てから成人男性のやや急ぎ気味の徒歩で10分」という真実が成り立つ。基本的に嘘ばかりなのが悲しいところだが、駅近というブランド力を最大限に生かしたい人たちが集客目的でよく使っている。実際に行く人は、「これ10分で着くかぁ?」と思いつつも「まあ10分ちょいか、こんなもんだよねこういうのって」と思って妥協するところだろう。初めて行く取引先など、早めの時間に着いている事がマナーになっているのはこれのせいもあるかもしれない。
しかし会社や店の立地と、住宅情報とはさすがに別にして欲しいものである。特に引っ越しの際に駅から本当に近いのかは重要なポイントになる。実際行ってみると駅から早歩きで10分で着くが、猛烈な下り坂で、住宅から駅まではそれを登らなければならなかったりすれば同じ時間にはならないだろう。ちょっとのサバ読みと半分の嘘である。新居を探す際には不動産屋の情報だけでなく、まず実際に行ってみるべきと言われるゆえんであろう。
また駅も、大きい駅ほど急行などが止まりやすく便利なのだが、ついでに駅ナカが栄えすぎているとショッピングモールなどが出来ており、そこを通過しなければ外に出られない様な駅も存在する。駅から10分と言いつつも電車を降りてから改札までも10分掛かってるし改札から駅の屋根を出るまでも5分掛かってるぞこれ、というレベルの駅もある。ターミナル駅ほど便利であるが、それゆえにやたらと広い。その辺りは自分の行動範囲や生活環境を考えて選ぶ必要があるだろう。10分なら歩けばいいが20分だと自転車が必要になったりしてくる。駐輪場を使うなら基本的に有料となり、毎日の費用として嵩んで来るだろう。
最近ではマップアプリや路線アプリなどが発達して来ていて、実際にここからここまでなら徒歩何分、などがバレてしまう事も多い。使う側もそれと照らし合わせ、「まあどこもサバは読んでるよな」と思いながら住宅情報を検討するといいだろう。まああちらの言い分もギリギリ通っている事もあり、歩く速さというものは人それぞれなのである。「私はここに書いてある通り8分で行けますよ」と言われたらそこまでだし、乳母車を引いたお母さんや、おばあさんだったら遅いのも仕方ない。元から個人差のある、幅のある情報なのである。その点も頭に置きながら、それでもまあ「サバ読んでるなぁ」と思いつつ、そういうものだと納得するしかないだろう。