「うなずきが止まらない」
出典元、ブログ「ミサトの美食旨酒」の記事、「生肉祭り 最後の生肉?! 焼肉屋さんのしみず@不動前」より。全体的に赤い記事。
生肉料理である牛のレバ刺しの提供は食中毒防止のため、2012年7月に禁止となった。ただこの記事は2011年9月29日のものなので、単に禁止になる前の話である。禁止になった理由は事故があったからだが、そもそも食品の安全について客がお店側に丸投げし過ぎていたところもあったかもしれない。牡蠣などは元から、「体調の悪い時はお控えください」といった注意書きがあったではないか。このタイプの料理はどうしても当たる可能性は0にならないのだから、客もある程度リスクを承知の上で注文するというのが常識になっていれば、別の道もあったかもしれない。しかし後の祭りである。
ミサト氏がこの記事で取り上げていたのは、なかなか高級なお店の様で、
生肉多めで頂きます。
と書いている通り、まさに生肉祭りといった具合で生肉を頼みまくっている。「レバ刺し」から始まり「タンのユッケ」、「ハラミ刺し」、「ザブトン刺し」とまさにやりたい放題。これに通常の焼肉も頼んでいるため、完全に豪遊である。しかしやはり現在の生肉禁止状態で見ると生肉がこれだけあるのは目を見張るため、生肉好きにはたまらない記事だろう。こんなにフリーダムだったんだね感もある。写真も載っていて、あの危険な魅力を放つルビーレッドのあいつがまだまだ閲覧出来る、とても魅力的な記事である。しかしこの部分に注意が引っ張られる。
「久しぶりのレバ刺しは、うなずきが止まらない(゜-゜)(。_。)旨いよー
新鮮」
「うなずきが止まらない」という表現はなんなんだ。口にほおばったらもう、美味し過ぎて美味し過ぎて、「これはいい、これはいい!」とばかりにうなずきが止まらないのだろうか。そういう人なのだろうか。なんて表現だ。そんな表現があっていいのか!
……しかし凄くよく伝わってくる、表現である。確かに、あれ? もしかして美味しいものを食べた時、味を噛みしめ幸せの中にいるその人は、うなずいているのだろうか。うなずきを繰り返しているのだろうか。意識が味に集中し過ぎていて、本人が気付かないだけなのかもしれない。もしかしたら誰もがうなずいているのかも、しれない……。そういうものなのか。そういうものなのかもしれない。人によるのか。人によるのかもしれないというか人によるに決まっていますね、すいません。
まあ、ハタと思い返してしまう指摘な事は確かである。今度美味しいものを食べた時、無意識にうなずいてないか気にしないと。そんな人いるかよ、と思う人も、もしかしたらうなずきを繰り返しているかもしれない。テレビで女性が食レポでよくやる、「美味しい~フルフルフル」と首を振るリアクションに、近いものなのかもしれない。今度もし、大好物だけど高級食で、たま~にしか食べられないものを食べる機会があったら、連れにでも頼んでそういう動きをしていないか、確認してもらうといいかもしれない。