「裸一貫」ならぬ「皿一貫」からの再出発を図る。
出典元、日本経済新聞電子版の記事、「かっぱ寿司、「皿一貫」からの再出発 1皿50円で販売」より。
文面をもう少しさかのぼって引用すると、以下の様になる。
同社は2017年3月期に最終赤字に転落するなど、回転ずし大手4社の中で「一人負け」の状態。「裸一貫」ならぬ「皿一貫」からの再出発を図る。
誰が上手い事を言えと。
しかし日本経済新聞ともあろうお堅い新聞の記事にしては、なかなか気の利いたギャグである。ウェブ版は少し軽めなのかは、知らないが。
100円回転寿司チェーンの派閥争いが熾烈を極めているらしい。競争して内容が良くなってくれる分には消費者としてはありがたい。そもそも回転寿司自体が庶民の友だったが、高級路線に転向してしまった回転寿司はちょっと友達ってほど遊ばなくなったので、基本全品100円の回転寿司はまだまだよく遊ぶ友達である。つまりここでは四天王とも呼ばれる「スシロー」、「くら寿司」、「はま寿司」、「かっぱ寿司」の戦いがテーマだ。そして最下位に甘んじている「かっぱ寿司」の次の手が、基本「皿一貫」という事らしい。もちろん一皿50円である。全店を予定しているそうなので、これは本気だ。
記事にもあるが、そもそもの問題点として一皿二貫というものは、小食の女性にとって多くの種類が食べられないという問題を元々はらんでいる。その解決策としてはかなり丁度いい策が、皿一貫だろう。5、6皿しか食べない女性が5、6種類しか食べられないのを、10から12種類食べられるというのは大きい。まあ、シェアすればいいという元々の解決策もあるのだが、それもどんな時にでも使える手ではない。あと気になるところとしては、これまでの倍のスピードで皿が積み上がる点だろうか。それこそ女性が気にする。しかし店全体でこれまでの倍の積み上がりが発生するので、気にならないというより埋もれてしまう、気にしないのが正解、といったところだろうか。その点、「くら寿司」のダストシュートは素晴らしい仕組みだが、簡単に真似出来ないコストの問題があるだろう。
まあしかし、一番のポイントはやはり、店員の作業量の増加だろう。「かっぱ寿司」の店員とかっぱたちは、皆「うえええええ……」と悲鳴を上げているに違いない。どう考えても労力がガツンと増える。ちょっと考えるだけでも皿を洗う枚数が倍になる。本当にこの手が吉と出るか凶と出るか。凶と出た場合、この方針転換は首脳陣の迷走として後世に語り継がれるだろう。
数年後には廃止されているかもしれないので、「皿一貫」の頃に一度は行っておきたいものである。