「少々面倒かもしれませんが、気を確かに持って、早速1~4それぞれの書き方をみていきましょう」
出典元、ブログ「みんなの給与計算教室」の記事、「一番わかりやすい年末調整書類の書き方 ~保険料控除申告書~」より。ウェットに富んだ激励の言葉。
世のサラリーマンを苦しめるものの代表格、年末調整。その解説ページである。年末になると総務に突然書類を渡され、「控除って何だっけ? 良いことなんだっけ悪いことなんだっけ? スルーすると損なんだっけ?」と悩み苦しむアレである。面倒くさいと放置していて、期限ギリギリになってから家で必要書類を探し回る羽目になる、アレである。通常、サラリーマンは会社が源泉徴収によって所得税や社会保険料の処理を行ってくれているため、普段あまり意識しない。それを急に言われてしまうと、まず用語が分からず苦労するし、仕組みから理解しようとすると大仕事である。何が苦しいかと言えば、そこで一度理解して書き終えても次回はまた一年後になる訳で、大抵忘れているのでまた調べ直すことになり、無間地獄な事である。また、扶養家族や配偶者の有無、保険の加入状況などによって人ごとに書き方が異なるため、気軽に同僚に聞けばいいものでもない、という点もある。
このサイトはGoogle検索すると真っ先に出て来るので、”一番わかりやすい”の標語は伊達ではないだろう。実際、税の基本から控除の仕組みまで、とても丁寧に分かりやすく説明されている。特筆すべきは、本物の書類の画像を使い、書類への書き込み例を分かりやすく、項目を色分けまでして細かく説明している点だろうか。全部読めば、1~4の控除がどういうものなのかも分かる。が、それでもやはり年末調整というもの自体が複雑なため、ページも長いし、専門用語もたくさんある。大変である。
つまり、「気を確かに持って」取り組まなければならない。この言葉は本来、事故や病気で意識がうつろな人などに掛ける言葉だが、なのだが。読めば分かるが、この記事は「気を確かに持って」読まなければならない内容なのである。敢えて使った言葉なのだろうが、そろそろ投げ出しそうな読者に対して、非常に気の利いたタイミングで、非常にうなずける表現をしたと言わざるを得ない。クリティカルヒットである。
なお、年末調整が大変大変と書いて来たが、作り終えた書類をパシャッと一枚撮影でもしておくと、次の年の労力がしてない場合より16倍ほど楽になるので、お勧めである。