役所の仕事”対応を検討する”「検討じゃなく 今日中にやったら？」直球ダメ出し

「検討じゃなく　今日中にやったら？」

出典元、どこかのウェブニュースの記事に、誰かが付けたコメント。優しい語りの直球ダメ出し。

Yahooニュースだったかの記事で、”瓦礫で道が塞がってしまった”レベルの緊急度の高いニュースがあった時のコメントである。え、これはちょっとまずい、これが分かっていて放置されるのはありえないでしょう、さすがに気付いてないだけでしょう、と皆が思うほどのものだった。しかしニュースを読むと、その案件は既に役所に報告されていたらしい。そしてそれに対する役所からの返答が、

「対応を検討する」

だったのである。ええぇ……。そんな、まったりしてていい話ではないのだが。検討という事は、検討した上でなにもしないという結論になる可能性もまだあるんかい。こんなもの、多少無理をしてでも業務に割り込ませて、最優先で処理する事項ではないのか――。

もちろん役所にしてみれば通常業務がある訳だし、どんなにすぐ直した方がいいものでも行ける人がいなければ今すぐ直しに行けるものでもない。そもそも指揮系統がある訳で、上長の承認を得なければ電話を取った者が勝手に動いていいものでもないだろう。……だろう。が、それならば大急ぎで上に報告して指示を仰ぐべきだし、担当が違うならそれはそれで”最優先”のタグを付けて該当の担当者に回せばいい。そういうレベルの話だったのである。消防を呼びたいが管轄が違うから正しい担当であるところの役所に連絡をしたのである。そこで返って来た答えがコレなのだから、始末に負えない。コメントが付けられるニュース記事だったので、たくさんの批判コメントが付いていた。その中でも短く、秀逸だったのがコレである。

「検討じゃなく
今日中にやったら？」

ズビシ！

直球のダメ出しが入りましたー。頭にかなり鋭角に突き刺さっております。パッと見では優しい口調ながら、言っている事は”今すぐやれ！”であり、これは非常に切れ味の鋭いコメントであると言わざるを得ない。文章の短さまでもが怒りの表現に見えてしまう。おそらく書き込んだ本人は思った事をそのまま書いただけだったのだろうが、そこに謎の威圧感が生まれているのが面白い。

こういう時に責める対象が役所だと、つるし上げ機運が妙に高まってしまう。”税金で食っている”、”役所はヒマなもの”、という共通認識が皆に出来てしまっているので思わず振り上げた拳にいつもより力が入ってしまうのだろう。役所だからと一緒くたにしていいものではない。実際には多忙な職場もあればヒマな職場もあり、ものすごくヒマな職場もあるというのに。そして別にヒマだったとしても、担当部署でなければ別部署の人間は素人なのでどうにも出来ないし、上からの指示がなければ動けないし、定時で帰らないといけないし、そんな今日言われて今日動けるものでもない。組織が大きいほど融通は利かないもので、役所はやたらと大きいのである。あっちの部署の担当内容をうちの部署に言われても困るので報告書を作って回しておくように明日中には部下に言っておきます。

今回のセリフは、ありきたりな言葉過ぎてフレーズにすらならない気もするが、まあ優しく叱る時に使えるのかもしれない。「そのくらいさっさとやれよ」というシーンで案外なんにでも当てはまってしまうので、少しいじって急かしたい案件のある時に、しれっと使いたいセリフである。「ここ片付けといて」、「あとでやっときまーす」、

「あとでじゃなく　今やったら？」