「不正はなかった」
出典元、ゲーム動画などで明らかにルール違反の動きがあった際に、視聴者が書き込むコメント。愛すべき様式美。
元ネタは、ニコニコ動画の「マリオカート」タイムアタック動画だろうか。ゲーム動画というものの先駆けは、ざっくり言うならニコニコ動画に投稿された最速クリア動画である。アクションマリオの最速クリア動画と共に「マリオカート」の最速レコード動画も人気を集めた。どちらもちょっと観始めると最後まで観てしまう、恐ろしい中毒性を持つ。
それはレースゲームの最速レコード動画なのだが、内容が尋常ではない。そもそもタイムが桁を間違えたのかと思うぐらいおかしい数値なのである。動画を見ると、まともに走るのではなく、ゴールゲートの近くの壁に飛び跳ねながらぶつかり続けて、視聴者が「ん?」と思っていると一周回った事になってゲートをくぐった音が聞こえる。もしくは海や穴にわざと落ちて、ジュゲムに救出された瞬間に一周した扱いにしてしまう。これを利用する事により、5周を5秒弱などという常軌を逸した凄まじいコースレコードを出してしまっている。つまりこれは、バグを利用した裏技なのである。ニコニコ動画なので画面上には大量の
「!?」
「は?」
「えっ!?」
というコメントが流れるが、そういった時にスパッと決めるのがこのボケ殺しコメントである。
「不正はなかった」
お、おう……。
不正はなかった。もしくは買収されたので不正は見逃した。マリオカートはジュゲムが審判を担当している。そのジュゲムが買収工作を受けて、不正を見逃しているという体である。
「不正はなかった」
いいね?
まあもちろん冗談なのだが、このナイスボケがここに端を発し、他のゲーム動画でも使われる様になった。チートや裏技、あるいは人の手を用いないTASなど、見るからにおかしいゲームプレイ動画には不正と分かった上で「不正はなかった」のコメントが付けられる。超絶テクニックのプレイを褒める意味合いもなくはないが、主には”許されるタイプの不正”を用いて面白く魅せたゲーム動画に、用いられるだろう。様式美なのである。当然ながらオンラインへのレコード記録や、他者との対戦で使用したらこんな寛大なコメントはもらえない。
そしてこのノリがスポーツの試合などでも使われていたりする。明らかなファイルなのに審判が取らなかった場合に使ったり、ちょっと紳士のスポーツとしてそれはどうなの、というルールの隙を突くテクニックを選手が使った時などである。視聴者がムッとした時に、ボケでありつつも場を和ます効果を持つ言葉として使われるのだろう。
なお、近年進化しており、
「不正しかなかった」
「不正ぱなかった」
といった言い回しも使われている。まあ、面白いんだからそれでいいじゃない、という話である。
ウェブコメント・レビュー
“マリオカート”最速レコード動画「不正はなかった」いいね?”ニコニコ動画”
投稿日:2020年9月22日
出典元、ゲーム動画などで明らかにルール違反の動きがあった際に、視聴者が書き込むコメント。愛すべき様式美。
元ネタは、ニコニコ動画の「マリオカート」タイムアタック動画だろうか。ゲーム動画というものの先駆けは、ざっくり言うならニコニコ動画に投稿された最速クリア動画である。アクションマリオの最速クリア動画と共に「マリオカート」の最速レコード動画も人気を集めた。どちらもちょっと観始めると最後まで観てしまう、恐ろしい中毒性を持つ。
それはレースゲームの最速レコード動画なのだが、内容が尋常ではない。そもそもタイムが桁を間違えたのかと思うぐらいおかしい数値なのである。動画を見ると、まともに走るのではなく、ゴールゲートの近くの壁に飛び跳ねながらぶつかり続けて、視聴者が「ん?」と思っていると一周回った事になってゲートをくぐった音が聞こえる。もしくは海や穴にわざと落ちて、ジュゲムに救出された瞬間に一周した扱いにしてしまう。これを利用する事により、5周を5秒弱などという常軌を逸した凄まじいコースレコードを出してしまっている。つまりこれは、バグを利用した裏技なのである。ニコニコ動画なので画面上には大量の
というコメントが流れるが、そういった時にスパッと決めるのがこのボケ殺しコメントである。
お、おう……。
不正はなかった。もしくは買収されたので不正は見逃した。マリオカートはジュゲムが審判を担当している。そのジュゲムが買収工作を受けて、不正を見逃しているという体である。
いいね?
まあもちろん冗談なのだが、このナイスボケがここに端を発し、他のゲーム動画でも使われる様になった。チートや裏技、あるいは人の手を用いないTASなど、見るからにおかしいゲームプレイ動画には不正と分かった上で「不正はなかった」のコメントが付けられる。超絶テクニックのプレイを褒める意味合いもなくはないが、主には”許されるタイプの不正”を用いて面白く魅せたゲーム動画に、用いられるだろう。様式美なのである。当然ながらオンラインへのレコード記録や、他者との対戦で使用したらこんな寛大なコメントはもらえない。
そしてこのノリがスポーツの試合などでも使われていたりする。明らかなファイルなのに審判が取らなかった場合に使ったり、ちょっと紳士のスポーツとしてそれはどうなの、というルールの隙を突くテクニックを選手が使った時などである。視聴者がムッとした時に、ボケでありつつも場を和ます効果を持つ言葉として使われるのだろう。
なお、近年進化しており、
といった言い回しも使われている。まあ、面白いんだからそれでいいじゃない、という話である。
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執筆者:kotonoha-sorcery
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