「叱られて伸びるタイプ」って言われてる人を褒めるとどうなるかというと、大抵結局すごく伸びますね
出典元、ぼのきち(@bono_kichi)氏のつぶやきより。教え方の話。
全文は以下となる。
ところでこの10年くらい若い人達といろいろプロジェクト的なことをやってきて気づいたことなんですが、「叱られて伸びるタイプ」って言われてる人を褒めるとどうなるかというと、大抵結局すごく伸びますね。
ところでこの10年くらい若い人達といろいろプロジェクト的なことをやってきて気づいたことなんですが、「叱られて伸びるタイプ」って言われてる人を褒めるとどうなるかというと、大抵結局すごく伸びますね。
— ぼのきち (@bono_kichi) April 23, 2018
人を使う立場になった時、厳しく指導するか優しく指導するかという話である。状況にもよるだろうが、昨今の情勢としてはやはり、昔が厳し過ぎて、近年とみにそういうのが気を付けられる様になってきたのだろう。いわゆる「最近の若者は叱られるとすぐ辞めてしまう」というやつだが、パワハラという言葉も生まれ、この10年ぐらいでかなり空気が変わってきた。叱るばかりでは芸がないし、能もない。
それに対する反論の一つが「あいつは叱られて伸びるタイプだから」なのだろうが、それを言っているのが叱っている当の上司で、褒めたりせず叱ってばかりいたりするのだからタチが悪い。楽をしているだけなのと、愛想を尽かされていないのはたまたまなだけだったりする。叱られた人の反応には3タイプあるらしく、一つ目は「なにくそと奮起して当てつけに結果を出す」、二つ目は「ショックを受けつつもまた叱られないために努力して結果を出す」、三つ目は「やってらんねーとなる」、この3タイプらしい。「あいつは叱られて伸びるタイプだから」で済まされるのは一つ目のパターンのみであり、二つ目は結果を出すものの精神的に引きずるだろうし、三つ目はそのうちいなくなるだろう。しかしじゃあ「叱られて伸びるタイプ」ならそのまま叱ってばかりでいいかというと、そうでもないというのが今回のセリフである。
「叱られて伸びるタイプ」って言われてる人を褒めるとどうなるかというと、大抵結局すごく伸びますね
そう、叱るより褒めてみたらもっと伸びるかもしれないのである。やはりこれは、叱るだけなら楽だからという上から目線、”上からのみ目線”があるのだろう。さらに言えば人を叱るという行為はそこそこ気持ちのいいものであり、ある意味叱る側のストレス解消になってしまう。逆に褒めるという行為は上っ面だけだと逆効果になったりするデリケートなものであり、相手に気を遣う、労力の要る手法なのである。叱り一辺倒の人は、自分に気持ちのいい、楽な事をしているだけ、という話になる。
おそらくポイントの一つは、上司が”人を教える事のプロではない”ところなのではないか。知識がある事と、それを教えるのが上手いかどうかは別問題なのである。仕事で結果を出し、部下を持って指導する立場になった人は、その仕事についてはプロだが、教える事に関しては素人である。その会社の中である程度の教え方の方向性はあるだろうが、細部となると結局その人の性格や考え方次第である。そうなった場合、叱るだけなら楽だからと考えて、叱るだけの指導になる事が多いのではないか。”人を指導する立場になったから人の教え方を学ぶ”、というステップが抜けている。
しかしもちろん、……、……、ひたすら褒めればいいというのでも、ない。そこにメリハリというものは必要であり、そしてそこが腕の見せどころでもある。友達同士で起ち上げた会社が上手くいかない場合が多い様に、仕事はゆる過ぎるのも良くない。どうしてもやっちゃいけないミスなどは厳しく注意する必要があるし、慣れなどによる気の緩みでミスを繰り返す様になった場合は多少ガツンとした注意は必要である。クセの強い手法にこだわる部下がいたとしたら、じっくり話して問題点をピックアップし理詰めで説得する。やる気のなくなりかけている部下がいたとしたら、自分も仕事に対して思うところがあると共感してみせてから、しかしこういう考え方をすれば少しは前向きになれるのではないかと諭す。この作業はミスがどうしても起こると言う部下がいたとしたら、実際に一緒にやってみて、部下のやり方を理解してあげつつ問題点を指摘して修正案を出す……。だからそういったスキルが、人を指導する立場の人間の、必須技能なのだろう。