【平等】
ケーキの取り合いで兄弟喧嘩した時に母親が、
「ジャンケンで買った方が好きな大きさに分けてね、負けた方は選んでいいよ」と言うシステムを越えるスッキリルールは未だかつてない。
【平等】
ケーキの取り合いで兄弟喧嘩した時に母親が、
「ジャンケンで買った方が好きな大きさに分けてね、負けた方は選んでいいよ」と言うシステムを越えるスッキリルールは未だかつてない。 pic.twitter.com/immR8HGDWA— 多勢裕哉 (@taseyuya) 2017年11月18日
出典元、多勢裕哉(@taseyuya)氏のつぶやきより。上手い事を考える人はどこにでもいるものである。
この人の母親が発明したルールではないだろうが、誰が初めに考えたかどうかはこの際問題では無い。大事なのは、このルールの完成度の高さである。シーンを思い浮かべて脳内シミュレーションしてみると、いかに文句の付け様のないルールなのかが分かる。まずなるべく大きいケーキを食べたい……、子どもなら当然の欲求である。そして、ここで既に切ってあってジャンケンで大きい方を選べるというだけならどこにでもある勝ち負けのハッキリするルールである。そこで、切るところからルールに組み込む。ジャンケンをさせておいて、勝った方が切る。そして負けた方が選べるという、発想の転換である。ジャンケンで勝った方はあえてどちらかを大きめに切る事が出来ない。それを取られてしまうから。同じ事ではあるが小さく切る事も出来ない。結局自分が損をしてしまうからである。つまり強制的ながらも、自発的に公平にさせてしまうという、とんでもないルールなのである。
ジャンケンという勝負ものが初めに入っているが、逆にそれが一応勝負を付けている事になっているので、受け入れやすさを助長していて上手い。そこで勝った方はとりあえずの勝利感を味わえるだろう。しかしそこで悩む。が、答えは一つしかない。なにせ相手は目の前にあるケーキであり、負けた方も切る瞬間を見逃すはずがないだろう。そして”自分も損をしない様に”、出来るだけ真っ二つに、公平に切るのである。負けた側は切らなくていい、というある意味有利な部分もあり、完全に天秤が均衡を保っている。素晴らしいとしか言い様がない。少し、どこかで似た話を見た気がすると思ったが、漫画の「賭博覇王伝ゼロ ギャン鬼編」だったかと思う。まあ、頭の良い人なら上手く考える仕組みなのだろう。おやつの取り合いなど1000年前から人間はやっているだろう。
少し連想したのがピザである。丸いピザをさあ5人で食べるか、という時に「じゃあ俺が切りますね」と言って一番下の者がとりあえず真ん中から真っ二つにした。周りの人は「……!」である。まあつっこみは「なんで5人なのに半分にしちゃうんだよっ」であるが。結局パニクったその青年が、半分の片方を3つに、もう片方を2つに切って不均等な5等分となった。こうなるとジャンケンで勝った人順に取っていくしかない。しかし半分にした時点ではまだ挽回は出来たのである。焦らず慎重に考えれば、半分のそれぞれを5つずつに切って、10等分にしてしまえば一人2切れずつで問題なく平等になる。ここまで来ると機転というほどでもないが、それぐらい思い付いて欲しいものである。しかしそれは簡単な例というだけで、例えば4人いて手羽先を頼んだら5本出て来た場合、比較的どうしようもない。今回のセリフのルールを応用しても難しい事を考えると、世の中そう上手く行かないというか、ジャンケンってすごいな、という残念な結論に落ち着きそうで残念である。