「絵です」
出典元、特定のものはなし。ツイッターで絵をアップロードした人が使う、控えめなひと言。
それが絵である事は、見れば分かる。
ツイッターに書き下ろしの絵を投稿するイラストレーターは多いが、そこに添える文言に定型文はない。まああるはずもないのだが、その絵がオリジナルなのか版権物なのかにもよって違ってくるし、どういう気持ちで描いた絵なのか、言いたい事があれば添えておくと周りからの共感が得やすいというだけの話である。ただまあ、見てもらいたくないのにアップする人はさすがにいないので、気になるコメントを添えた方が見てもらえる可能性は上がるだろう。
漫画形式のものや絵に字が添えてあるタイプのものは、解説も込みで作品として完成しているので、つぶやきで言葉を添える必要もない。しかしその絵が文字のない風景だったり女の子だったりするのなら、多少はなにかひと言あると、分かりやすいかもしれない。特にツイッターは、大きさによってアップロードした絵がサムネイル表示されてしまい、クリックしないとどんな絵なのか分からない場合も多い。ツイッターのタイムラインは日々大量のものが流れて行くので、添えたひと言があったおかげで絵を見てもらえるというパターンも多いだろう。
そしてこれが二次創作だとすると、その作品名やキャラクター名をハッシュタグとして添えておけば検索に引っ掛かりやすくなり、より多くの人に見てもらえるものになる。文字検索をしてキャラクターの絵を探している人もいるし、ハッシュタグならそういうものも見付けやすい。少しでも多くの人に見てもらいたいならそういった努力というか工夫をするのはツイッターの使い方として真っ当な方法である。コメントが思い付かなければハッシュタグだけでも添えるといい。
が、画力があまりにも高い人の作品は、絵の力のみで集客が可能なのである。元々のフォロワーが見ているだけでなく、一度リツイートされればリツイートした人のフォロワーが次々にリツイートしてくれるため、雪だるま式にいいねもリツイートも増えて行く。それぐらいの実力者になるとまさに絵だけあれば良く、画力で万単位の注目をもぎ取れるのである。そういった人は無言で絵だけアップする人もいるが、一応控えめにこれを添える人もいる。それがこの、
「絵です」
である。
他人が言うとしたら「超綺麗な絵」だったり「神イラスト」だったりするのだが、もちろん本人はそんな事を言わないし、そういった賞賛は周りからだけでいい。そしてそれが絵である事は見れば分かるのだが、そのひと言が申し訳程度に添えられていつつ、イラストの内容についてはなにも言わないというこの硬派さが見る人にため息を吐かせるのである。
つまり超カッコイイ。