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歌詞

初音ミク”みくみくにしてあげる♪”「科学の限界を超えて私は来たんだよ」DTMの限界を超えて

投稿日:2019年8月31日

「科学の限界を超えて私は来たんだよ」

出典元、初音ミクの曲「みくみくにしてあげる♪」より、歌詞の一部。作詞、ika。

初音ミクという人は存在しないが、その歌声は明らかに存在している。

デスクトップミュージック、「DTM」と呼ばれる作曲の一ジャンルがある。いわゆる「打ち込み系」。楽器を演奏して録音するのではなく、パソコンに音のデータを一つ一つ入力する事で作曲出来るという、文明の利器を最大限利用した、夢の様なシステムである。作曲なんてとても……、という人でも、例えば好きな歌手の曲を楽譜通り打ち込んでみて、その曲調をちょっといじってみたりするとその楽しさが分かるだろう。速くしたり遅くしたりするだけで楽しい。

また、そういったソフトを使ってみると分かるが、最初から驚くほど沢山の種類の楽器が登録されている。ピアノやギター、ドラムなどのメジャーなものだけでなく、フルートやシンバル、コントラバスなど、ほかにもさらにあまり聞かない珍しめの楽器も平気で登録されていて、ドレミの音階を入れるだけでその楽器の音で再生してくれるのである。もちろん好きな曲を全部ヴァイオリンで流したりも出来る。分かりやすく言うと、おもちゃで「カエルの声で鳴るピアノ」があったが、あれの”大人が本気出して作ったバージョン”である。それらの楽器を実際に買おうとするなら高く付くし、さらに言うなら買って実際に演奏出来る様になろうとするならどれだけの努力と時間が必要になるか分からない。それらを全てすっ飛ばして演奏出来てしまうのだから、ハマる人はハマる魅力的な娯楽だろう。

と言っても素人の趣味だけの話ではなく、プロももちろん使っている。それはメリットがたくさんあるからである。なにより「DTM」は、演奏というよりは再生なので間違える事がない。また、人には演奏が不可能なスピードのものや、同時に演奏する事が現実的でないレベルの多重演奏などもパソコンなので簡単に実現出来る。そしてそれが、たくさんの楽器や機器を揃えなくても低コストで可能なのである。これだけ便利なものなのだからプロが使うのも納得だろう。しかしもちろんデメリットもある。それは、

声がない

事である。

「DTM」は結局のところ、パソコンによる既存の楽器の再現である。パソコンがどれだけ楽器の音の再現が上手くても、楽器で人の声は演奏出来ない。録音した誰かの声をなんとか繋いでみても、それはブツ切りのカタコト音声にしかならない。歌声がない事で、「DTM」はインストゥルメンタル、歌のない楽曲しか作れなかったのである。しかしそりゃあそうだろう、いくらなんでもそれが科学の限界だし。……と思われていた。2007年までは。

「科学の限界を超えて私は来たんだよ」

その「DTM」業界に衝撃が走る。人の声が実装されたのである。厳密にはその少し前から販売されていた「VOCALOID」の、そのバージョン2であるところの「VOCALOID2」にて初音ミクが登場する。”声”と言ってもなんでもかんでもではなく、ある女性声優の声を加工して作られた声なので女性ボーカル限定ではあるのだが、そもそも不可能だった事が可能になった衝撃は大きかった。長年研究してきた技術の粋を集め、打ち込んだ音程をカタコトにならずに自然に歌唱する、「DTM」の楽器の一つとしての声が使える様になったのである。また初音ミクというビジュアルのあるキャラクターを打ち出し、その見た目のキャッチーさと、そもそも耳に飛び込んで来る歌声のインパクトもあり、当時流行りだしたニコニコ動画との相乗効果などでものすごいブームになった。これは一つの革命と呼べる出来事だったのだろう。

この歌詞の曲は、ikaの作詞、作曲。「みくみくにしてあげる♪」もしくは「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」。当時初音ミクと言えばまずかけられていた曲である。発売してすぐにこのクオリティのものを発表出来たのが凄い事であるし、弾幕向けであったり2chネタからメタネタまで取り入れた歌詞も素晴らしい。こういうものの存在が、歴史の転換点に同時に現れ、みんなを新しい一つ上のステージに引っ張って行ってくれるのだろう。

以下、歌詞の全文を引用する。

科学の限界を超えて私は来たんだよ
ネギはついてないけど出来れば欲しいな

あのね、早くパソコンに入れてよ
どうしたの?
パッケージずっと見つめてる
君のこと

みくみくにしてあげる
歌はまだね、頑張るから
みくみくにしてあげる
だからちょっと覚悟をしててよね

(してあげるから)

みくみくにしてやんよ
最後までね、頑張るから
みくみくにしてやんよ
だからちょっと油断をしてあげて

みくみくにしてあげる
世界中の誰、誰より
みくみくにしてあげる
だからもっと私に歌わせてね

それは確かに科学の限界を超えたのかもしれないし、明らかに未来を感じさせる存在である。

-歌詞

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