「全員参戦」
出典元、ニンテンドースイッチのゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」のかつての告知より。スーパーゴリ押し解決手段。
スマブラシリーズ最新作、ニンテンドースイッチ版「大乱闘スマッシュブラザーズ」の発売前、告知時の話である。発表された名称は「スマブラスイッチ」ではなく、「スマブラ6」でもなく、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」だった。スマブラはもうそのゲーム自体がスペシャルみたいなものなのだが、それのスペシャルなのでスペシャルのスペシャル版である。ぐうの音も出ない。そしてもちろん、スマブラ新作が出るとなると参戦ファイターの話題が取り沙汰される。大きいところでは他社からの参戦キャラだが、前の作品から楽しんでいたプレイヤーにとっては「リストラされるキャラ」の方が重要なトピックだったりする。
あれだけいる参戦キャラ、自分の持ちキャラというものがいるのである。リストラされてしまったら、どうしても失望感が残るだろう。そしてそれまでの4作でそれはたびたび起こっていた。もちろん発売される年代は離れているので、その時々によって売り出し中のキャラというものがいる。マリオやリンクなど世代を超えた主役級のキャラはずっと変わらないが、例えばファイアーエムブレムだったら次々出る新作の主人公を持って来たい。「ファイアーエムブレム 封印の剣」の時は確かそのゲームが発売する前に、主人公のロイがスマブラに出てしまった様な気がする。そして次作になると、またその時の主人公が使われたりする。ポケモンでも同様、ピカチュウやプリンなど別格のレギュラー陣は居るものの、ルカリオやゲッコウガなどはその当時映画などでブイブイ言わせていたポケモンである。新作が出るたびに売りとなる伝説級ポケモンが変わるため、ポケモンから新たに参戦させるなら、現在売り出し中のキャラを新作から持って来るのが定番の流れだろう。が、そこでリストラされてしまったキャラをマイキャラとして使っていたプレイヤーはどう思うか。もちろん不満意見が出る。これはスマブラの宿命と言える。……言えた。
遡ればピカチュウをちょっと改造して作ったと言われるピチュー、リンクをちょっと改造して作ったと言われる子どもリンク、マリオをちょっと改造して作ったと言われるドクターマリオなど、公式にもそこまで一から作っていないと明言されているキャラ、いわゆる”ダッシュファイター”は存在していた。しかし参戦している以上、性能もちゃんと本体と別にカスタマイズされているし、マイキャラとして使っているプレイヤーもいる。おまけキャラにしては凝って作られているのである。つまり結局いなくなると悲しむプレイヤーがいる。しかしスマブラもキャラ数で言うと5作目、一度きりの他社参戦キャラもいたし、追加ダウンロードキャラもいた。これらの問題をすべて包括する解決手段なんてあるはずがない、……、はずがない。
「全員参戦」
ドンッ!
分っかりやっすぅーい解決策がガチで登場した。過去4作で登場したキャラクターの「全員参戦」が決まったのだ。さすがスペシャル。公式サイトを見ると「総勢66体」との記載がある。「史上最大規模」、そりゃそうだ。しかもどうせ既に「スプラトゥーン」からインクリングなどが新たに参戦しているところからも、またさらなる追加キャラは増える可能性がある。そして問題は前作の「Wii U」版から登場した8人対戦、のさらに同キャラ対戦が可能なので掛ける事の8コスチュームが必要なのである。任天堂が総力を挙げて作るからと言ってとんでもない作業量になる事は想像に難くない。もちろん、キャラ間のパワーバランス調整が最も重要で最も大変なところなのだが、66×66=だけでも考えたくない数である。スマブラは開発総指揮の桜井政博氏が全てバランス調整をしているというが、本当に過労で倒れない事を祈る。発表がE3の6月、発売がクリスマスシーズンの12月と定番の”仕方ないスケジュール”を踏襲しているが、スマブラは対戦面以外にも凝った部分を大量に入れて来るゲームなので、作業量の計り知れなさが計り知れない。楽しみにしつつも、「無理すんなよ」と言ってしまいたくなる告知だった。
ちなみに66×66は、4356パターンである。が、頑張れ……。