言の葉の魔力

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俗称・肩書き・称号

「スーさん」

投稿日:2019年5月11日

「スーさん」

出典元、作・やまさき十三、画・北見けんいちの漫画「釣りバカ日誌」より、鈴木さんのニックネーム。アニメ化もドラマ化もされたが映画が特に有名。

「釣りバカ日誌」の映画は、かつて長らく続いていた人気シリーズである。まあ、作品としては現在も続いていると言えない事もないが、一般的な認識では昔の作品と言えるだろう。釣りをテーマにしつつ色々な騒動を繰り広げるハマちゃんとスーさんのドタバタコメディには安定感があった。主人公はハマちゃんで、その弟子がシリーズを通しての相棒、スーさんである。しかし二人は実は同じ会社で、弟子であるスーさんが社長、ハマちゃんは平社員である。年の差もあり見事なデコボココンビと言えるのだが、またこの関係が面白い。この設定だけで脚本家は大喜びしそうな美味しいシチュエーションで、ハマちゃんがスーさんに社員の前で気安い声を掛けて周りから怒られたり、ハマちゃんの大チョンボをスーさんがこっそりもみ消したり、それはそれでケンカをしたり、でも結局二人とも釣りバカなので、なんやかんやあっても仲良く釣りに繰り出したりと、ベタながらも安心して観られる大人気シリーズだった。

そしてその中で使われるのが「スーさん」のニックネームである。「スーさんスーさん」言っているが本名は鈴木さんである。二人は会社では平社員と社長で、しかし釣りではハマちゃんが先輩でスーさんが後輩である。その関係上、「社長」呼びはおかしくなるし「鈴木さん」呼びもやや堅苦しい。そこで使われたのが「スーさん」呼びである。年配者へ向けて、親しみを込めつつ堅苦しくない感じを出せたのでこれはかなりしっくり来るニックネームだった。そしてただのニックネームであるが、……映画もこれだけ有名になると、影響もそれだけ大きいのである。

日本には何百万人もの鈴木さんがいる。そして、「釣りバカ日誌」は長年愛された長寿映画シリーズである。テレビ放送もあったし、観た事のある人は何千万人もいただろう。そうなるとどうなるかと言うと、こうなる。

鈴木さん、鈴木さーん。ずきさーん。すーずーきーさーん。……。

「スーさん」

スーさんってなんだっけ、あ、「釣りバカ日誌」の鈴木さんの。いいねこれ、これでいいよ。

全国の鈴木さんのニックネームに使われてしまうのである。使われやすさが半端ではない。なんと言うか、あだ名を決定する際の最後のひと押しが「釣りバカ日誌」の影響で非常に軽いボタンになっている。せっかくだから映画と同じあだ名を使っちゃおう、面白いし、という感情がいろいろな人に同時に発生してあっという間に共感してしまう。鈴木さんとしても、拒否するほど嫌なニックネームでもないし……、という事で決まってしまうパターンも多かっただろう。学生時代「スーさん」と呼ばれていた人が、就職して全く新しい人間関係で、新たに同じ「スーさん」を付けられるパターンも結構、多いと思われる。別に断りはしないだろうが「またか」ぐらいは思うかもしれない。たまにそういう、苗字にやたらとフィットするあだ名というのはあるのだが、映画のほどよい知名度からの影響で、「スーさん」に関してはかなりの強さの決定力が発生していると思われる。

他の苗字でも発生していそうな現象だが、これだけ多い苗字に掛かってしまったのは鈴木さんの「スーさん」が最大規模だろう。もし創作作品でこれの二番煎じを狙うとしたら、……佐藤や田中が狙い目である。

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