「クチャラー」
出典元、口を締めないでクチャクチャと音を立てて食べる人の通称。公害レベルの悪癖。
日常生活でたまに遭遇する、非常に不快度の高い存在である。悪口、スラングではあるのだが、今ではかなり知名度の高い言葉になっているだろう。遭遇した回数は少なかったとしてもインパクトが強く、また、「クチャクチャ」という擬音からの「クチャラー」という命名が説明要らずで簡単に通じるため、不快を感じた人が一発で覚えてしまうからかもしれない。
「クチャラー」はクチャクチャと音を立てて食べるので、音もはしたないし口の中が見えて気持ちが悪い。見るからに無作法でエチケットもなにもない人がクチャラーでもある事が多いが、全体的にはちゃんとした人なのに残念ながらクチャラー、という人もいる。……それがほんとーにやっかい。大人にはそういうプライベートな事は、なかなか注意しにくいものだからである。社員同士で昼食をよく一緒にする人がこれだと、日常的に不快感と遭遇する事になりとんでもないストレスとなる。食事とはストレス解消の手段でもあるので、それが逆にストレス蓄積となってしまう。不快に感じるのは全国共通で、テレビで芸能人がやると叩かれるし、アイドルがやると恐ろしいスピードでファンが離れる。百年の恋も冷めるレベルの凄まじい威力のある技である。
直せよという話だし、友人だったら「悪く思ったらごめんね」と前置きしてから指摘した方がいい癖なのだが、残念ながら注意しても直らないし、注意した事によりこちらが不快な思いをする可能性まで高いと言われるのだから始末に負えない。”直らない癖”という面でもかなり有名なのである。これは意識の問題だ。そもそも本人はそれがマナー違反だという事に気付いていないケースが多い。原因は根源的には親の教育だろう。親がクチャラーだった場合、子どもに「食べる時は口を締めなさい」と教育”しない”ので、それがマナー違反だという事に気付けない。親がクチャクチャ食べているし、子は親を見て育つのだから……。なので注意されてもなにが悪いのか分からない、というリアクションになる。そしてただの悪口だと思い、認めないし逆切れするパターンも多いのである。言い訳としては「そんなの勝手じゃん」、「口を開けて食べないと味が分からない」、「鼻が詰まってるから口を締めると息が出来ない」などである。どれもいちいち論破するのも馬鹿らしいものだが、しかしつまりこうやって言い訳ばかりして直そうとしないところが、さらに嫌われる原因なのだろう。
直りましたよエピソードとしては、他人の酷いクチャラーを見て本人が「あんな酷かったのか!」と気付いて直った、というものがある。というか注意し続けていたら直った、というエピソードがあまりない。とにかくどちらかというと本人の意識の問題であるらしい。夫が酷いので子どもにはしっかり躾けている、という話もある。つまりそれは夫はもう散々注意しているのに直らない、という話でもある。それだけ染み付いてしまう癖なのだろうが、どう考えても直そうと思えばそこそこの努力で直せる癖である。やはり意識の問題だ。こういうものこそテレビで取り上げて、誰かが人柱になって赤っ恥でも晒してくれれば、影響で直る人もたくさん出るだろうに。どこかでやらないだろうか。