「降水確率」
出典元、天気予報で使われる用語より。人によって受け止め方の異なる不思議な言葉。
天気予報はロクに当たらない事で知られているが、”この日は絶対に降らない、降るはずがない!”という日には降水確率は0%になる。さすがにそういう日の0%には、気象予報士の相当な自信が込められているので受け取る側も「これはさすがにその通りなんだろう」という気持ちになるだろう。素人でも全く雲がない天気図を見せられれば「これは降らないな」と確信出来たりする。逆に”絶対に降る!”という日の100%にも同じ事が言える。巨大な台風でも来ていれば、台風の目に沿って移動でもしない限り絶対に雨は降るのだろう。というかそもそも、”降らない予報なのに降った”は問題だったとしても、”降る予報だったのに降らなかった”はそれほど問題ではない、という根本的な仕様もある。
「降水確率」が何%になると雨が降るのだろうか。
少し考えそうになる議題だが、その質問はおかしい。雨が降る確率がそのパーセンテージに表れているからである。そのまんまとも言える。ではなぜここに違和感が残るのか。
降水確率50%の日に傘を持たずに外出するか、外に洗濯物を干すか、という話である。それはとてもありえない。つまり気持ちの上で、降水確率50%は人々の中で、「ほぼ降る」という受け止められ方をしているからではないか。50%は「降るか降らないか半々ぐらい」という認識ではなく、「ほぼ降る」という認識という事である。人によるだろうが、「半々ぐらい」は20%~30%ぐらいではないだろうか。降水確率40%なら「まず降る」。50%なら「ほぼ降る」。パーセンテージの間違った使われ方な事は確かだが、どうだろう、そういう認識でいる人が多いのではないか。つまり50%が100%の様な使われ方をされている。
では50%より上、100%より手前についてはどう使われているのか。それはもしかしたら、60%なら「ほぼ降る」のは確実として、大粒の雨がしっかり降る。80%でも「ほぼ降る」のは確実としてザーザーの大雨が降る、という受け止められ方をしているかもしれない。90%はそれよりさらに強い雨である。国語として間違った受け止められ方であるが、ないとも言えない。間違っているのは数学として、かもしれない。
実際のところ、天気予報とはエリアが決まっているのでそのエリア内での違いも判断材料にしなければならない。「明日、北海道は晴れでしょう」という予報があったとして「おいおい」と言ってしまう様に、東京でだって地域差はある。そうした位置の細かな違い、そして雲の動きに対してはやや広めな予報時間帯が影響して、天気予報のロクに当たらない点と、利用者の少し変わった確率の使い方が発生しているのだと思われる。
天気予報の、用途予想。