「絶対領域!!」
出典元、杉基イクラの漫画「ナナマル サンバツ」第4問(第4話)より。主人公、越山識(こしやましき)のセリフ。というか解答。
なんとも不可思議な名前の漫画だが、クイズ漫画である。「7○3×」表記だった様な気もするが、分かりにくかったのか今ではカタカナ表記になっている。いや、最初からそうだったかもしれないので記憶違いかもしれない。クイズ漫画と言ったが、読者にクイズを出す豆知識系の漫画ではなく、作中で高校生たちがクイズの大会に参加し、ライバルたちと勝負を繰り広げるという、ある意味熱血バトル漫画である。初めて競技クイズを題材にした漫画なのではないだろうか。ジャンルがクイズなだけで、高校生が大会で他校と勝負をするという点では、野球漫画やサッカー漫画と方向性は同じである。マイナージャンルに本格ストーリーを乗せたという点では「ちはやふる」に近いかもしれない。
このセリフが放たれたのは物語序盤、主人公の越山識が、見学のつもりで参加したのに勝手にエントリーされていて、選手として戦う事になった早押しクイズ大会での事だった。越山識はクイズの素人だが、読書の虫だった上に記憶力が異常に良いので、知識だけは豊富である。その知識を生かして多少勝負にはなるものの、やはり早押しクイズ独特のスキルというものがあり、苦戦を強いられる。しかしそこで戦っているうちに次第にコツを掴んでいく。が、あと1ポイントで次のラウンドに進める、という問題で、前のめりになりすぎて、出題者の
『ミニスカ/
の時点でボタンを押してしまった。答えは分かるのに早押しのスピードで負けるパターンが多かった中、答えの分からない中とにかく焦って押してしまった失策だった。さすがに周りの誰も分かっていない。”答えの確定ポイント”に到達する前に押してしまったのだ。解答時間は3秒しかない。一緒に来たメンバー、ヒロインの深見真理が心の声で応援する。
”わからなくても何か言う!!”
そうだ、来る途中に彼女と少しクイズをした時に出た問題があった。
『ミニスカートの裾とオーバーニーソックスの隙間に存在する素肌が露出した部分をアキバ系界隈では何と言うでしょう?』
その時教えてもらった名前が頭に浮かび、識はとにかく叫んだのだ。
「絶対領域!!」
誰もが違うと思った解答だが……、それが正解だった。5ポイント獲得して、識は勝ち抜けになった。
ここから識は、クイズの楽しさにのめり込んでいく。可愛いヒロインから誘われて断り切れずその道に入り、次第にハマって行くという王道展開なスタートだが、王道だからこその安定感と面白さがある。この解答は、この漫画の序盤を代表する印象的なシーンとなっただろう。
ちなみに実際の問題は以下の通りだった。
『ミニスカートとニーハイソックスを着用した際にできる太ももの素肌が露出した部分を萌え用語的に何と言う?』
おそらく”答えの確定ポイント”は『ミニスカートとニ/、だったのかなと思う。「ミニスカ」じゃ無理。