「うっ、あたまが」
出典元、ネットのどこか。元ネタはよく分からない。
意外と使い勝手がいい。しかし知らない人に使ってもそのまま受け取られるかもしれないので、使う際には注意が必要である。バファリンとは関係ない。
主にネットの書き込みで使われる、ネットスラングである。というか実生活では使われないだろう。「うっ、頭が」と漢字表記にしてもいい。基本的に過去のトラウマ話をしたいときに語尾に使うと効果的である。また、会話相手がその事を知っている、もしくは共通の思い出がある場合、ニヤリと効果を発揮する。逆に言うと全く通じない場合はバファリン的な意味で頭痛を心配される。
例えばこんな具合である。「1993年……、イラク代表戦……、うっ、あたまが」。これは何の事かというと、まあ言わずもがな、ドーハの悲劇である。有名なものほど最初のキーワードが少なくても通じる相手が多い。そして言いたいことが、まあ伝わるだろう。
「明徳義塾と言えば松井秀喜の……、うっ、あたまが」。ついでに野球ものだとこんな感じである。これは分かる人が分かればいい。というか、分かる人だけをニヤリとさせる事もネットスラングの特徴の一つである。四六時中ネットにつないでいる人ばかりではないし、つないでいたからといってネットスラングに精通しているとも限らない。掲示板に書き込んだときに何人かのうちの一人にでも伝われば御の字だろう。「レベルファイブもオンラインRPG作れば……、うっ、あたまが」。
用途をピックアップしてみると、大々的に宣伝されたのに大ゴケした商品や、前評判通りの活躍が全然出来なかった選手、大きな舞台で豪快に滑ったエピソード、などが取り上げられやすい。小さなコミュニティや、その専門掲示板などなら、応援しているタレントや歌手の黒歴史など、知ってるけど直接口に出したくない、けどちょっと今話題にしたい、時などに便利に使う事が出来る。長く同じ人のファンを続けていたり、同じ趣味を続けていたりすれば、誰にでも思い付けるだろう。直接的に批判したり「あれは酷かった」と言わない優しさ。分からなかった人には分からないままスルーさせてあげる優しさ。しかしまあ何重ものオブラートに頑丈に包んでいるだけで、言っている事は「あれは酷かった」と変わらない。ただの遠回し版である。やはり個人攻撃というより公人攻撃、もしくは企業攻撃に使われる、使いやすい。まあ誰かが使ったときにニヤリと出来るので知っておいてそんはないだろう。
「ハリウッドで映画化って凄いけど実写化するとドラゴンボール……、うっ、あたまが」。