「エンジョイ勢」
出典元、ネット各所。用語の使われるジャンルとしては主にゲームである。
対義語に「ガチ勢」がある。
「エンジョイ勢」、すごく楽しんでいそうなイメージのある言葉である。実際そのゲームを最も楽しんでいる人たちと言っても過言ではない。意味は、もちろんそのゲームをエンジョイして楽しんでいる人たち、というところだが、”エンジョイの度合い”によってそこに切り分けが存在する。つまり、楽しく自由気ままに、やれる範囲で楽しむ、そこまでが「エンジョイ勢」の領域であり、好みのプレイスタイルとか、気に入ったキャラとかそういうのは置いといて、ひたすら強さを求める様になるとそれは「ガチ勢」になる。「ストII」で言うと、ダルシムが好きだけどリュウの方が強いからリュウを使う、「ポケモン」で言うと、ピカチュウが好きだけどミュウツーの方が強いからミュウツーを使う、と言ったところか。どちらが正しいというものは無い。
しかしこれがオンライン対戦可能なゲームになってくると状況が混沌の様相を呈してくる。有名どころでは「大乱闘スマッシュブラザーズX」で、「エンジョイ勢」と「ガチ勢」の区分けなくオンライン対戦を可能としたところ、ランダム要素のない純粋なキャラ同士の戦いに重点を置く「ガチ勢」に、「エンジョイ勢」が駆逐されてしまったという事がある。実際には駆逐とまではいかないが、「エンジョイ勢」にとってはとてもやりにくい対戦状況になってしまった。そのため、「スマブラ」の続編ではそのまさに「エンジョイ勢」と「ガチ勢」が切り分けられ、純粋な戦いをしたい人は「ガチ勢」の部屋、もっと色々なステージでランダムなアイテムを用いてワイワイ楽しみたい人には「エンジョイ勢」の部屋が設けられた。ネットスラングがゲーム上に反映された珍しい例である。しかしとても分かりやすい。
他にも物理的に対戦が出来なくても楽しみ方というのは人それぞれで、「エンジョイ勢」と「ガチ勢」に分ける事が出来る。最近ではスマホで遊ぶソーシャルゲームが、時間及びリアルマネーを投入して強くなれる要素を入れて来ているので、その境目は顕著だろう。毎月何万円も注ぎ込んで新しいキャラをゲットしよう、キャラを強くしよう、イベントで上位を取ろう、とするのはもちろん「ガチ勢」である。そしてソシャゲで言えば、主に無課金で遊び、時間も日常生活に支障が出ない範囲で楽しもう、イベントも無理な部分はきっぱり諦めよう、と割り切って遊ぶのが「エンジョイ勢」である。至高の喜びは「ガチ勢」の最強のキャラゲットや、最高の栄誉にあるのかもしれないが、「そういう遊び方もあるよねー」と言いつつやれる範囲で楽しむのも楽しみ方の一つであり、「エンジョイ勢」とてそれなりに楽しんでいるのである。ソシャゲはプレイヤー総数の数パーセントの廃課金者がいれば運営していけると言われている様に、大多数の「エンジョイ勢」が無課金で楽しみ、極少数の「ガチ勢」が廃課金でランキング上位を争っているのだろう。しかし、これについてもどちらが正しいというものは無い。
また、「縛りプレイ」も「エンジョイ勢」の十八番である。さっきも書いた様にピカチュウが好きだからピカチュウ6体しか使わずにプレイする、進化すれば強いのに決して進化させない、「キングオブファイターズ」でチームは女性キャラでしか構成しない、「モンスターハンター」で特定の武器しか使わない、などである。推奨されるのはあくまで周りに迷惑を掛けなければ、だが。あと、攻略本や、攻略情報をネットで見ないのも含まれるかもしれない。複雑なゲームほどあらゆる要素を調べ上げるのには時間も掛かるし労力も要する。なんとなーく適当な感じで分かる範囲をノリで楽しんでしまうプレイスタイルこそが、「エンジョイ勢」の本領発揮である。
ゲームは楽しんだもの勝ちなのだから。