「手のひらクルー」
出典元、日本語の表現。「手のひら返し」のおちゃらけた表現。
ネットスラングかもしれないが、意味としてはそのまんま、「手のひら返し」である。本日、日本のいたるところで発生している現象の様な気もする。シンプルな例を出すと「こいつはダメだろう、期待出来ない」と言われまくっていた人が大活躍した際に「やっぱりさすがだよ、信じてたよ!」と評価を180度変える事を言う。まあもちろん匿名ならともかく、名前を出して批判していた人ならばその真ん中に「あんな事言ってすいませんでした!」が入るだろう、マナーとして。結果が全ての世界だったりすると、どれだけ態度が大きかろうがビッグマウスだろうが、結果を残した人が正義である。
文字だとノリが伝わりにくいので、ここからは「♪」(音符)を付けてみる。
しかしもちろん、一度ひっくり返った手のひらが再度「クルー♪」する可能性も多分にあるため、初め批判していてその後「手のひらクルー♪」した人も、その状態で褒めまくっていたらまた全然結果が出なくなり、いつの間にかまた「クルー♪」して批判せざるを得なくなるなどよくある話なので、油断はならない。そして「手のひらクルー♪」を何度も使う様な人は、一般人なら別に好きにすればいいが、評論家や専門家ならばどんどん信用を失って行くだろう。当事者ではなく周囲から意見を言うだけの人は、自分がやっている訳でもないのになかなかのプレッシャーを受ける。そもそもが、”今調子悪いけどこの人ならやってくれる”とずっと信じているファンもたくさんいるのである。まあ、周りから言うだけ言うにしても、発言には責任を持てという事である。
ちなみにこの「手のひらクルー♪」は、勝負事の世界でよく使われる表現だが、それ以外でもたびたび使われている。基本的には「選ばれる」と「結果が出る」との間に期間が空くと、それまでのその人の実績を考えて、プロの人とプロ気取りの人が、なんやかんやと難癖を付け、しかし出来上がったものが素晴らしかったりすると「手のひらクルー♪」して褒めちぎる、のが定番の流れである。とても格式高いコンサートのメインに実績の少ない新人が選ばれ、選んだ側としては実力を信じ、期待を込めて選んだものの、周りから文句の出る場合は多いだろう。そこで新人は血のにじむ様な努力をしてそれに備え、誰もが絶賛するパフォーマンスを見せる。それを観た、最初文句を言っていた人は「手のひらクルー♪」である。コンサートではないが、最近あったところでは2020年東京オリンピックの、作り直されたロゴだろうか。一見シンプルで単純そうなもので、なんだこれ、誰でも描けそう、というものだった。しかしそれが次第に、綿密に計算されて設計されたものだと分かると評価がうなぎ登りになる。ここでもリアルに「手のひらクルー♪」が発生していただろう。見たあとにけなしたのに、真意を知って「手のひらクルー♪」は珍しいパターンだが。
やはりネットスラングなのだろう。意味が完全に「手のひら返し」と同じだし、「クルー♪」の面白要素だけが付加されている。そしてこれは自分で自分の事を「手のひらクルーしますw」と言うのでは無く、周りから「あいつ手のひらクルーしやがった」と言われる類いのものである。今日の様に日本中で数十万人規模の人が「手のひらクルー♪」してしまう状況もやはり、周りがその人たちに対し、ちゃちゃを入れる様な使い方なのだろう。