「地球規模で考えるんだ」
出典元、2chの将棋系スレのどこか。匿名掲示板だが、書き込んだのは漫画家の須賀原洋行であるらしい。本人が言っている。
地球規模で考えるんだ、とはまた大規模な話だが、何の話かと言えば将棋の話である。少し長いが以下に引用する。
おまえら、もし地球に将棋星人が攻めてきて、向こうの大将と
地球代表が将棋一番勝負で対決し、負けたら植民地にされる
という事態になったら、地球代表は絶対羽生でないとイヤだろ?
深浦でもいいのか?深浦に地球の命運を託せるのか?羽生をけなしてるやつは地球規模で考えるんだ
分かる。というか将棋に詳しくない人にほど分かる話だろう。まず深浦って誰だ、という話にもなるし、羽生善治なら将棋を知らない人でも知っている。七冠で大変な話題になったし、現在も三冠、超強いままだし別に過去の人でもないしまだ50歳にもなっていない。まさに将棋界の顔と言っていいだろう。
このコピペの面白いところは、例えが突飛すぎるのに、説得力があるというところだ。一読して「な~に言ってんだ」とクスッと来るが、さらにあとからジワジワくる面白さがある。だいたい将棋星人って何だ。しかしこの面白さが横方向にもジワジワと広がり、これを改編したコピペなどが出てくるぐらい有名になった。
ちなみに「ハチワンダイバー」という将棋漫画があるが、最終戦は主人公が負けたらその場に核が打ち込まれる、という少し似た様な展開だった。相手は人間だが。このコピペから連想した人もいるだろう。
もう少しメジャーな競技で例えるなら、野球ならこうだろう。負けたら終わりの一本勝負に、今年いきなり芽が出て活躍した首位打者に任せるか、それとも全盛期は過ぎたもののイチローに任せるか、そういう話だ。数字と確率的には首位打者に任せるべきだろう。だが心情としては日本人のプロ野球選手代表はイチローがいい、そう考える人は多いだろう。
”あいつに任せて負けたのなら仕方がない”という考え方である。
このコピペにもその考えが生きている。しかし多分、もともとは仲裁の為に書き込んだんだろうな、と思われる文章である。羽生をけなしているやつがいて、「どう、どう」と収めたかったのだろう。しかし羽生派だからそう言ってると思われるのもしゃくだ。そこで規模を大きくする。無駄に大きくしてシュールにしてみる。畢竟、語り次がれるコピペとは独創性が突き抜けているものだ。
「地球規模で考えるんだ」
なんなんだ、この説得力。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
十年の歳月を経て深浦九段が地球代表へ変わり
御本人の耳にも入るとは感慨深いですね