「の~みそ コネコネ コンパイル」
出典元、かつて存在したゲーム会社、「コンパイル」のキャッチコピー。今はもうない。
「コンパイル」は、ゲーム「ぷよぷよ」で一世を風靡した会社である。が、既に倒産している。ウィキペディアを読むとなかなか味のある盛者必衰の物語が味わえる。簡単に言うと、「ぷよぷよ」が思いのほかヒットしたおかげで業種を拡大しまくり社員も大量採用したところ、しかしそれを全て支えるほど「ぷよぷよ」も巨大コンテンツでは無かったため、次第に経営が悪化し、ついに倒産したという流れだったらしい。外から見ると「あっちゃー」だが、中の人にも同情したくなるストーリー展開である。これは社長が調子に乗ってCDデビューしたとかのエピソードを知っていると「あっちゃー」度合いが跳ね上がるので、また味わい深い。「社長が有名な会社はろくなものじゃない」という名言があるが、いやないが、まあそういう部分もあるのだろう。盛者必衰の流れで「驕れる者は久しからず」という言葉も頭に浮かぶ。
ちなみにゲーム「ぷよぷよ」関連の権利は現在、セガっぽいところが持っているので、「ぷよぷよ」自体がなくなったり、もう出ない訳では無い。それはありがたいが、セガほどのところが「セガっぽいところ」と化しなんとか生き残っているレベルなのを考えると、コンパイル程度が調子に乗るからこんな事になったんだよ、という感想になってしまうのは仕方がないだろう。まあゲーム業界では有名な話である。「コンパイル」さんも死に体ではあるものの微妙に細胞が生き残っている風ではあるが、しかしほぼ死んでいるようなものなので「ぷよぷよ」もない今、もう一発花火を打ち上げるのも大変だろう。
「ぷよぷよ」は知っている人も多いと思うが、「落ち物パズル」と言われるテトリス系のゲームである。テトリスはシンプルさとジワジワ上がるスピードがクセになるが、「ぷよぷよ」は考えて連鎖を作れる様になると面白くなる。が、まあ単純に消しているだけでもテトリス的な楽しさと中毒性は味わえるので、それはそれで面白い。積み上がったあとに適当に消していても連鎖が起こったりするし、敢えて凝らなくてもそういう楽しみ方もあるだろう。同レベル同士が前提になるが、対戦が白熱するのも良い。また、最初からキャラクターが付いているのも大きな特徴である。主人公の女の子アルル・ナジャほか、カーバンクル、すけとうだら、スケルトンTなど、可愛いところからキモ可愛いところまで要所を押さえている。歌好きキャラが超絶オンチだったり、イケメンキャラが変態だったりと、初期メンバーからして濃いキャラを乗せて来ていた。これも「ぷよぷよ」がヒットした要因の一つだろう。
そして印象深いのは、今回取り上げたキャッチコピー、「の~みそコネコネ」である。緩いながらも非常にインパクトがある。「コンパイル」がブイブイ言わせていた頃にはよく聞いたフレーズだった様に思う。というか脳味噌をコネコネするな。聞くと脳味噌がむずむずする。が、それがまた「ぷよぷよ」と非常にマッチしていて妙な親しみやすさを感じる。まあ「ぷよぷよ」のキャッチコピーではなく企業である「コンパイル」のキャッチコピーではあるのだが、「コンパイル」と言えば「ぷよぷよ」なのであまり違いは無い。あと「ぷよぷよ」は老人のボケ防止に良い、という話があり、取り入れていた老人ホームもあったかと思う。老人ならそれこそ複雑なゲームもゲームの進化も求めないのでちょうどいいのだろう。これぞまさに「の~みそコネコネ」である。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。