言の葉の魔力

名言、つぶやき、掛け合い、ネットスラング、表現、ことわざ、アナウンス、歌詞、キャッチフレーズ、挨拶、名称、称号、まで。世の中にあふれる言の葉(ことのは)をうんちくを交えて紹介

Twitter

“ファイブスター物語”の永野護「ゴティックメードの永野舞台挨拶つき上映とかバカじゃないですかね!」円盤化されない映像作品

投稿日:2019年12月8日

「TOHOシネマズ上野の開業イベントでゴティックメードの永野舞台挨拶つき上映とかバカじゃないですかね!!2012年の映画で今更!!」

出典元、ryou imai(@nekoneko_pun)氏のつぶやきより。2017年10月10日のものである。

まあなんと言うか気持ちは分かると言うか完全に同意というか確かになに考えてるんだと言うか。ちなみに以下の様に続くので単純に罵倒している訳では無く、なんて事してくれるんだ、という歓喜の罵倒である。

「こんなの絶対行くしかないじゃん!!!」

いくつか説明が必要だが、そもそも2012年公開の映画の舞台挨拶を2017年にするという時点で意味が分からない。……人が多いだろう。映画「花の詩女 ゴティックメード」は、特異に特異を十段重ねしたぐらい特異な、普通じゃないアニメ映画である。ええと一応……、ネタバレ全開で直進します。

映画「花の詩女 ゴティックメード」は、漫画「ファイブスター物語」(ファイブスターストーリーズ)の作者、永野護の製作した映画である。正式な映画であるがかなり個人制作に近く、主要スタッフが3人とかで、永野護が「原作・監督・脚本・絵コンテ・レイアウト・原画・全デザイン」を担当した。しかも70分の作品なので短めではあるが短編では無い。それをかなりの少人数で制作したものだから、公開までに6年を要している。もちろんその間は映画制作に掛かりっきりになる訳で、永野護のライフワークであるところの「ファイブスター物語」はその間、休載となった。映画の制作発表がされた時に「ファイブスター物語」のファンは、「それはいいからファイブスター物語描いてよ……」と思った事だろう。月刊誌での連載のくせに元から休載も風物詩の漫画なのである。それで、問題は、

いくつもある。

まず角川の映画とはいえ力を入れるのにも限度があったため、それほど上映館数は確保出来なかった事。そして永野護のファンは永野護の作品ならなんでも観たいのでは無く、「ファイブスター物語」が見たいのである。それゆえにそれほど話題にならなかった。ファンの間でも「メカデザインはやっぱ格好いいけどこれはパスかな」との声もよく聞かれた。……。

のにも関わらず「ゴティックメード」は「ファイブスター物語」だったのである。

根底を覆すネタバレなので観た人もそれほど拡散しなかった影響もあっただろうが、「ゴティックメード」は「ファイブスター物語」の連載中の時代の数百年前の話だった。そう公表せずに、違う名前で公開した映画だったのである。そもそも「ファイブスター物語」自体が色々な時代の場面を見せる作品なので、つまりは「ファイブスター物語」そのものである。これは”ほのめかし”とかでは無く、映画のラストに思いっきり「実はこの人は後にファイブスター物語のこの人になるあの人でしたー」がドーンと紹介される。紹介されまくる。しまいには最後の最後に時代が飛んで、現在連載中の「ファイブスター物語」のちょっと先の舞台を、もろに「ファイブスター物語」のキャラが登場するシーンまで映している。そんな話題が広まればファンも多く観に行っただろうが、いや広まったのだがジワジワとした広まりであり、映画というものはそれほど長く上映しているものでは無いので、上映期間終了後に知った人が大量発生した。そうなって来ると観たい。仕方ない円盤か……。が普通の流れなのだ、が、「ゴティックメード」は

”映像と音声にこだわり過ぎたために特別な映画館でしか上映出来ない作品”

となっていて、そのクオリティの理由から、DVDもブルーレイも発売されなかったのである。映画館の中でですら絞られるのだから、DVDは元よりブルーレイでも再現不可能である。まあ、もちろん妥協すれば円盤化出来ない訳では無いのだが、そこを妥協してくれないのも永野護なのである。永野護がいいと言わなければ決して円盤化されないし、おそらく決していいと言わないだろう。実際のところ、「ゴティックメード」は本っ当~に作り込まれていて、例えるならテレビアニメを観たあとに劇場アニメを観ると絵の質や動きの細かさに気付く人も多いだろう。それのさらに上の、凝り性の人が凝り過ぎた上に止める人もいない状況でこわだりまくって延期しまくって作り込んだ作品である。キャラもメカも音も空気感も全て最高クラスである。そして映画館でしか観る事が出来ない作品となった。作品自体、素晴らしい出来であったが、これのおかげで漫画「ファイブスター物語」の連載は9年もの間、休載となった。それも伝説的エピソードである。

で、本当の本気で映画館でしか観られない「ゴティックメード」だが、実は「ドリームパスポート」というシステムでリバイバル上映は定期的に行っているのである。商品で言う受注生産の様なもので、「観たい!」という人が投票して一定以上に達すると、特定の映画館で上映が決まるシステムである。「ゴティックメード」は上にも書いた様に「ファイブスター物語」なので、こちらの濃ゆいファンは相当数居るし結構煮詰まっている。なので比較的定期的にリバイバル上映が行われ、そして今回のセリフ、

「TOHOシネマズ上野の開業イベントでゴティックメードの永野舞台挨拶つき上映とかバカじゃないですかね!!2012年の映画で今更!!」

の出来上がりである。ファンサービスで5年前の作品に舞台挨拶とか。ちなみに「ファイブスター物語」という作品はものすごーーーーーーーーーーく作り込まれた作品で、かなりの部分、先の展開が定められており、作者の永野護が掲載誌の「ニュータイプ」上で作者コメントで今後の展開を書いてしまう事も多い作品である。その本人が登場してなにかしゃべるというのだからつまり、

「こんなの絶対行くしかないじゃん!!!」

という事になるのである。

ここまでの話もかなりどうかしているが、さらにどうかしている話がある。「ゴティックメード」の最後の最後に「ファイブスター物語」のキャラが登場するシーンがあると書いたが、「あれ、なんでこの人が?」という人が居るのである。それ自体がちょっとした謎だったのだが、それが現在連載中の「ファイブスター物語」のエピソードの終盤には解けそうな気配を漂わせているのである。その謎が乗っけられたのは2012年に公開された「ゴティックメード」上でなんですけど! あああああもう! バカじゃないですかね!!

-Twitter

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

返信するとご飯が飛んでくる「あらためて見ると炊飯器の早炊きのアイコンなにこれ」ブォン

2020/07/09

「今日は3割の力で仕事して定時で帰って、週末までに本来のペースを取り戻せ」新年の社長の挨拶

2020/01/06

ケーキの取り合い「ジャンケンで勝った方が好きな大きさに分けてね、負けた方は選んでいいよ」スッキリルール

2019/10/22

通っていた店の店員対応「いつもありがとうございます」途端に足が遠のいてしまう。

2019/08/18

空中ディスプレイ「あ、未来そっちからくるんだ!」”今和間田せぃが”氏のつぶやき

2020/08/05

“ボンバーガール”に藤崎詩織が参戦「す、き、と、か!! fu!」榎本温子のリアクション

2020/08/19

お客様はモンスター?「お客様お客様お客様困ります!あーっ!お客様!!」粗相する動物”ネコ”元ネタ

2019/08/17

『学ぶ姿勢』と『遊ぶ姿勢』じゃ、遊ぶ姿勢の方が断然パワフル(´∀`)効果の高いエネルギー源

2019/10/06

ツイッターに絵を投稿した人のひと言「絵です」ハッシュタグも添えない硬派さ

2020/10/29

「叱られて伸びるタイプ」って言われてる人を褒めるとどうなるかというと、大抵結局すごく伸びますね

2020/06/08

人気記事

1
 Twitter
成功の証は”新鮮みがないこと”?「西海岸で飲む、いつもの味」ブルーボトルコーヒーの”あいつ”松村太郎
2019/03/15
2
 アナウンス
“発表されない”抽選結果「当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます」落選メールぐらい欲しい
2019/12/30
3
 ドラマ
ここは俺がやる!海外ドラマ”24″ジャックバウアーの名言「本当にすまないと思っている」元ネタ
2019/06/25
4
 ウェブコメント・レビュー
凛として時雨”unravel”「腹から声出せ」→「やればできんじゃねえか!」アニメ”東京喰種”オープニング
2020/06/14
5
 著名人
“バトル・ロワイアル”作者の高見広春「十分稼いだのでもう新作を書くつもりはない」
2020/02/01
6
 歌詞
“紅蓮の弓矢”出だし「すいませんそこ右に家が」アニメ”進撃の巨人”オープニング
2020/06/06
7
 テレビ
ひろゆき名言集「それ明らかにあなたの感想ですよね」奇抜なロン毛の古谷経衡と屁理屈での殴り合い
2019/12/07
8
 漫才・コント
“パッション屋良”のお決まりのフレーズ「そうだね、プロテインだね」体操のお兄さん
2020/05/25
9
 漫画
刃牙”ビスケット・オリバ”「メニューは全てステーキに統一される」肉とワインで傷を快復
2020/09/11
10
 俗称・肩書き・称号
信用ならない漫画家「ファイアパンチの作者」”藤本タツキ”もうめちゃくちゃ
2020/10/26
11
 技
バスケ漫画”スラムダンク”桜木花道命名「庶民シュート」レイアップシュート
2020/04/16
12
 ネットスラング
話題のぶった切り「そんな事よりサメの話しようぜ!」急にサメと言われても
2020/05/28
13
 魔法
竜破斬”ドラグ・スレイブ”「時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において」スレイヤーズのリナ=インバース
2020/02/07
14
 ドラマ
ドラマ”TRICK”の上田次郎「なぜベストを尽くさないのか」どんな人へも刺さるメッセージ
2019/09/18
15
 ゲーム
“サガ2秘宝伝説”最強の武器?「ネコのツメ」すばやさが高いと攻撃力が上がる
2019/10/20
16
 漫画
こち亀でFF5「「オメガ」を倒すには魔法剣士の乱れ打ちが有効らしい そしてその時かける魔法はサンダガだ!」”魔法剣”、”二刀流”、”みだれうち”
2019/02/06
17
 アニメ
エヴァンゲリオン”公式”体長「40m~200m」ガンダムの体長は知られているが
2020/03/24
18
 超対話
“ニセコイ”作者の古味直志「もう何連載してもキムチキムチ言われるんだぜ?」「じゃあ次はフレアって言われることを目指そうぜ」
2019/05/23
19
 ゲーム
“FF10″ユウナの名言「いなくなってしまった人たちのこと 時々でいいから…思い出してください」
2020/05/18
20
 掲示板
ネットの歴史”ヘンテコな文法”「すいません、自決しました」”自己解決”の意味でした
2019/01/10

サンセット

当サイトの記事では、創作物などのネタバレを扱っている場合があります。閲覧は自己責任でお願いいたします。