「1/3の純情な感情を久しぶりに聴いたら、壊れる程愛しても1/3も伝わらない、と嘆いた後に、アイラブユーさえ言えないマイハート、って続いてるんだけど、おそらくアイラブユーを言ってないから伝わってないんだろうと思った」
出典元、おそらく初出はツイッター「@takao_be」氏のつぶやきより。有名なので各所でコピペされているが、おそらくこの人の発想だろう。
現在はツイッターアカウントが削除されているのでリツイート数などは確認出来ないが、当時かなりの反響があったツイートだと記憶している。
まず。シャムシェイドの「1/3の純情な感情」は、アニメ「るろうに剣心」のエンディングテーマである。初期からのものではない。そして、それ以前にオープニングテーマに川本真琴の「1/2」が使われている事を考えると、あえて狙って「1/3」という用語を取り入れて来た事は容易に想像出来る。こういうニヤリとするネタは、特にアニメのタイアップに消極的な歌手が多かった中、やってくれたので、とてもリスペクトを感じた。「よくやってくれた」という意味だ。もう20年近く経つが、全く別の歌手で同じアニメに少し似たタイトルを被せてくるなど他に聞いた事がない。その事だけを取ってもアニメ史に残る出来事だったと言えるだろう。そしてまた、アニメのテーマソングにも関わらず一般にもかなりヒットした楽曲の素晴らしさもあり、制作側も気に入ったのかエンディングに2番までかけている。2番だけを選んでかけているのではない。1番も2番もかけている。これもまた早々あり得ない特別な出来事である。
が、十数年経ち、ツッコミが入る。
「1/3の純情な感情を久しぶりに聴いたら、壊れる程愛しても1/3も伝わらない、と嘆いた後に、アイラブユーさえ言えないマイハート、って続いてるんだけど、おそらくアイラブユーを言ってないから伝わってないんだろうと思った」
たし、かに。アイラブユーを言っていない。そして歌詞の他の部分をよく読んでみても全く伝えていない。そりゃ伝わらないわユアハート。共感がたくさん出てしまった事は残念であるが、話題になった事は良い事だったかもしれない。まあ、当時から違和感を持っていた人もいたかもしれないが、
歌詞ってそんなもんだし。
人々の頭に長年残る楽曲だし、時を経てカバーもされるぐらい人気の曲である。細かい事は気にするなというところだろう。
当時、アニメ自体も非常にヒットした「るろうに剣心」だが、漫画自体も18年ぶりに正式な続編がスタートした。「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-」、完全新作連載である。過去に人気作を出した漫画家が、終了後は他の作品がヒットせず、またその作品にすがるというのはマガジンでよく見るパターンだが、「るろうに剣心」レベルになるとちょっと格が違う。伝説、再開と言ったところか。もしこれでまた人気が出て長期連載となれば、これもまたアニメ化されるかもしれない。その時は是非、シャムシェイドに「1/4」辺りを使って楽曲を作って欲しいものである。シャムシェイド自体が解散と再結成を繰り返しているらしいが、それならそれでその時だけ再結成してくれればいい。歌詞もそれなりにどうでもいい。「1/3の純情な感情」を軽くパロってくれたら最高である。