「もっともらしいことをかっこよく言うよりわかりやすいことを端的に言う方がいいと思いますよ」

「もっともらしいことをかっこよく言うよりわかりやすいことを端的に言う方がいいと思いますよ」。

出典元、不詳。どこかのネット記事のコメント欄。

何に対してのコメントか不明なので厳密には判断できないが、どこかで使われていそうな言葉ではある。しかし指摘から逆算するに、かっこよくもっともらしいことを言ったところで内容が伴っていないから、読者に響かないよその記事、と言っていることは想像できる。

たまにあるそういう記事だが、ある出来事の可か否をまず決めつけて、その論拠を述べずに批判に終始するものだ。そういうものを読んで、まずその出来事の可否に不満がある人は、その文章がどれだけ”もっともらしくかっこよく”書かれていたとしても、読んでいて不満を持つだけである。こういう記事は、記事を書くことに慣れていないか、もしくは最初から煽る目的で書かれている記事に多い。そしてやたらと長い。

一つ例えるなら、「なぜ田中花子はこれだけ嫌われているのか」というタイトルの記事があったとして、嫌われていることを前提にしておきながら嫌われている理由を述べずにひたすら、周りからの批判を書き続ける。それを見て、田中花子を知らない人は「嫌われてるんだ」と思うし、嫌われてないと思っている人は「何を言っているんだ」と思うだろう。記事の体を成していない。

それを解消することは簡単である。可否の論拠を始めに証明するだけである。

「もっともらしいことをかっこよく言うよりわかりやすいことを端的に言う方がいいと思いますよ」。このコメントは、的確に不備を指摘するのが４割ぐらい、残り６割は記事への批判をしているのかな。批判は批判なのだが、この比率が実に紳士的でスパイスが利いていて素晴らしい。