言の葉の魔力

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「午後ティー」

投稿日:2019年6月17日

カテゴリー「商品」

「午後ティー」

出典元、キリンビバレッジから発売されているロングセラー商品、「午後の紅茶」の通称。

「午後ティー」と聞いて分からない日本人がいるだろうか。おそらくいないだろう。それぐらい、日本に浸透している商品であり、通称である。いつ頃からか誰かが使い始め、初めは「あ、午後の紅茶の事ね。ふふっ」というレベルだったが、いつの間にか正式名称より多く使われるぐらい浸透してしまった。

仕方ないのである。昔からあるし、今もある。ずっとあって、ずっと飲まれているのだから。分かるに決まっている。「ごごのこうちゃ」より語感がスラリとしていて言いやすく、そして必ず伝わるのだから浸透して当然だろう。「ごごてぃー」、言いやすぅい。

キリンも、発売した当初はここまでロングセラーになるとは思っていなかっただろう。なにせ普通の紅茶である。しかもそれなりに甘い。この辺りは時代の変化と共に微糖へと寄らせていったり、様々なバリエーションを出して様子を伺ったりしているが、答えはふらふらと動くし正解したり外したりの繰り返しである。昔からの三本柱、「ストレートティー」、「ミルクティー」、「レモンティー」の布陣が、ド安定でどっしりと構えているので、ここらを下手にいじらなければ、このまま末永く愛されていくだろう。

なぜか甘さへの評価が不規則に上下する日本の飲料業界だが、「ミルクティー」のあの味は、いや、ちょっと甘めのただのミルクティーではあるのだが、普通なはずなのに、甘い物が飲みた~い! と思った時にとてもキングな存在であると思う。「ストレートティー」、「レモンティー」はともかく、「ミルクティー」に関しては、例えばコーラしか飲まない人がいたとしたら、「午後ティーミルク」しか飲まない人がいても不思議じゃないぐらいの飲み物だと思う。つまりはすごく美味しい。

業界的に売上の細かいシェアなどは知らないが、イメージとして紅茶業界は「午後ティー」がまず中央に鎮座して王道の味を守り、周りの他社が少し亜種の味で勝負を掛けている、という印象である。紅茶花伝のミルクティーなどは「午後ティーミルク」よりも甘い。甘い物好きはそちらを選ぶだろうが、「午後ティー」側も王道の味を逸れてしまうと、いつ誰にその座を奪われてしまうか分かったものではないので三本柱の改良には慎重である。ユーザーとしても、もはや日常にとけ込んだ味なので、ちょっとした冒険心でなくなられては困るものだろう。しかし「ミルクティー」、「レモンティー」は個性を出している中、「ストレートティー」の”普通の味という個性”は芸術的な物を感じる。「ただの紅茶じゃん!」、と「やっぱ紅茶は午後ティーストレートだよね」の間には何があるのか。これが歴史と伝統、という事なのかもしれない。

願わくば、下手な革新思考の持ち主によってこの味が大きく変わってしまうことのないよう……、ここままあり続けて欲しいものである。その座を狙う勢力は、たくさんいるのだから。

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