「~ですね、わかります」
出典元、ネットスラング。比較的古いもので、現在流行っているとは言いがたいものである。
ネットスラングにも流行り廃りがある、というのも面白いが、実際あるのだから仕方がない。この「~ですね、わかります」についてはアイドルマスター関連が発祥元らしいのだが、よく分かっておらず、日常会話で使う用語でもあるので、厳密にはネットスラングですらないのかもしれない。
しかし使い方は基本、ボケである。ボケというか、要するに受けの言葉であるので、Aが話してBが受けるならBのセリフであり、比較的とんちんかんな受け答えをする際に使われる。つまり分かっていない相づちに使われる。が、しかしそれを分かっていて使う。ここまでのルールに沿っていれば、やはりネットスラングとして使っているという事になる。元ネタがアイドルマスターならそれに関する使い方になるところだが、使い勝手が良すぎるせいで一時期はあらゆる掲示板で見かけられた。
掲示板というのはある種の会話である。一人が長々と自説を披露したりした際に、聞いた側は納得出来れば納得できたと返事すればいいし、納得出来なければ反論すればいい。が、ここにもう一つ匿名かつ無礼講気味ならではの掲示板文化があり、広義では「馬鹿にする」となるが、狭義では「ボケ流す」といった荒技が存在する。その一つがこの言葉だろう。例えばアイドルだけに自分の推しアイドルを延々と語っている人がいて、自分は別のアイドル推しで、そのアイドルの事をそんなに好きじゃなかったとする。あんなやつ、と言うのは簡単だが直接的な反論なので空気は悪くなる。そんな時、直接的ではなく斜めにボケ流すのだ。「それはあなたの好みですね、わかります」とでも返してやればいい。言われた側も、「なにを~っ」とまではならないはずだ。
もっとボケボケした例えば分かりやすいか。試験勉強や資格の勉強などで、たくさんの記憶をしなければならない、という主題のスレである人が自分のやっている記憶術を自慢げに披露する。何かに関連付けて覚えろとか、マーカーで見えなくして繰り返し読み込むとか、他人にかみ砕いて説明してみるとか、である。至極まともな事を言っている時の反論にこそボケが生きる。「もう年なんですね、わかります」なんて返しでもすれば、相手は「ちょっ、おおお」と言う事になり、周りもそうじゃないだろと思いつつ、笑ってくれるだろう。そんな、謎の、日常会話風、ネットスラングである。
類義語として「こうですか?わかりません><」がある。おちゃらけたい時に使い勝手が良い。
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