言の葉の魔力

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漫画

「学者に神の話でもしに来たなら―― 論文を最低7つは引用して存在を証明してからにしろ」

投稿日:2018年4月30日


「学者に神の話でもしに来たなら―― 論文を最低7つは引用して存在を証明してからにしろ」

出典元、池沢春人の漫画「ノアズノーツ」より。考古学者である主人公、ノアのセリフ。

敵っぽいキャラクターのモネに追いかけられ、遂に追い付かれた際のやり取り。正確には以下となる。

「…… 学者だよな?」

「……いかにも ノア・M・アンバーバック…考古学者だ 学者に神の話でもしに来たなら―― 論文を最低7つは引用して存在を証明してからにしろ」

なかなかに鋭い切り返しである。モネが教団っぽい組織の人間な事から、まずそれを論理的に否定している。なお、超煽り顔で上から目線で語っている。まあ、ノアはそういうキャラなのだが、……これが最後の最高の決めゼリフでない事を望む。

「ノアズノーツ」は冒険考古学ファンタジー、となっている。10万年前の2022年に一度滅亡した人類がループし、現在は二周目の2018年で、4年後の2022年に再び人類は滅亡しループするらしい。それを防ぐべく、主人公のノアとヒロインのミライがその原因を探って行くストーリーである。やや分かりにくいものの、設定としてはなかなかにキャッチーであり、10万年前の横浜みなとみらい遺跡が登場した第一話のインパクトはなかなかのものだった。こういう、初めから凝った造りの設定は、破綻がない様に結末まで答えが用意されているはずである。であるからして、なるべく長く続き、上手い具合に波乱がありつつも、順に謎を解いていく展開がベストだろう。漫画っぽいドタバタ感とゾクッとする人類滅亡感がいい感じにミックスされていて、なかなか続きが気になる漫画である。

が、ここ数話で急にアクション要素の強い展開があり、少々きな臭くなって来ている。主人公たちは謎を解くべく動いている。そこに人間の、マフィアだの謎の秘密結社が邪魔をしに登場して来たのである。この辺りはさじ加減もあるのだが、「人間vs大いなる存在」をテーマとする物語で、調査の邪魔をして来る人間側の存在ほど面倒なものは無い。もちろん多角的な思惑を絡めて、物語に厚みを持たせる事自体は否定しないが、少なくとも序盤にでしゃばられてしまうと、なんというか、主軸である大いなる謎の解析から話がブレてしまう。そこが読者の心を掴んでいるというのに。この後、邪魔して来る組織とのドタバタがどのくらいの頻度で行われるか、謎の解析がどのくらいのペースで進むかが、この作品が続くかどうかのカギとなるだろう。連載されているのは「週刊少年ジャンプ」なのである。

ジャンプも迷走しているのだか、編集者同士の連携が取れていないのだか、最近ちょっと謎な状況である。最近始まった連載で以下のものがある。

”人外の化け物と戦う話で、主人公は特殊な能力を持っており、その化け物と戦う組織に入り、チームを組んで戦う”。

残念な事にこれが最近始まった3つの作品全てに当てはまる。「ボウズビーツ」、「呪術廻戦」、「ジガ」である。立て続けに似た様な設定の漫画が始まってしまったら、読者が混乱するだろう。漫画家はともかく、編集者は分からなかったのだろうか。しかし読者はしっかり混乱したらしく、画力的には一番高かった「ボウズビーツ」はまさかの14話打ち切りとなった。残り2作品も時間の問題と思われる。

……という状況なので、ある意味異色の存在である「ノアズノーツ」には、ちょっと頑張ってもらいたい。作者も新人では無いのである。これまで培ってきた粘り腰の姿勢で、そしてあまりバトル展開に頼らず論理的に、読者を感心させ続けてもらいたい。「BOY」……、じゃなくて「ものの歩」を続けていれば良かったと言われない様に、祈るばかりである。

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