「プー……ピポパポピポパポ……ピピービォーー……ポービーブーー……ザーーーーーー」
出典元、ダイヤルアップ接続音。
インターネット黎明期、インターネットは電話回線にモデムを繋いで接続していた。接続時、パソコンから聞こえてきたこの謎の効果音を覚えている人も多いだろう。厳密には、効果音ごとにどの設定をしているかがあるのだが、耳で聞けば全てただの雑音である。しかし使っていた人には思い出深いだろうし、久しぶりに聞けば「おっ」と思うだろう。このダイヤルアップ接続と、その次に流行ったADSLは電話回線を使用している為、電話が掛かってくると接続が切れるか不安定になるという問題があった。今ほど仕事に密着していなかったとはいえ、いきなり切れるネット回線というものは恐怖である。20世紀末当時とて、パソコンでオンラインゲームはあったし、コンシューマーゲーム機でも時代を先取りしすぎたドリームキャストがネット対戦などをやっていたので、電話が掛かってきてのネット切断は問題だった。つまり、いい思い出である。
この頃の話題でまた良く出るのは「テレホーダイ」だろう。夜の11時から朝の8時まで電話が掛け放題になるサービスである。長電話での利用にも活用されただろうが、インターネット黎明期と重なったその頃は夜11時になるとネットへ接続しようとする人が殺到して混み合うことになった。今となって考えればインフラの制限によって生活時間がもの凄く左右されるという異常事態だった。しかしまあ、それが最先端技術というものなのだろう。基地局からの距離や地域にもよるが、集団住宅などでもとにかく1つのものを取り合う形になるので大変だっただろう。家庭環境でも、テレホーダイ以外の時間にもできない訳ではないので、お金が掛かってでも繋げたい人はいただろうが、家族に禁止されて11時まで出来なかったという人もいるだろう。つまり、いい思い出である。
ダイヤルアップ回線がナローバンドと言ったか。ISDNとかいう中途半端な性能のものを経て、その後YahooBBを皮切りにADSLが低価格を打ち出し、大いに流行った。このぐらいのスピードからがブロードバンドと言ったか。相変わらずブラウザの「最初に表示されるページ」がYahooな人が多いのも、この影響が大きいだろう。知らないが。その後、有線系やケーブルテレビ系も乱戦に加わりつつ、最終的にNTTが重い腰を上げてフレッツ光がどーんと出てきてかっさらい、現在のブロードバンド全盛期に至る。意外なところでは、ケーブルテレビは元からテレビ電波の届きにくい田舎に普及しているものだったので、ネットスピードもケーブルテレビの方がさっさと普及してしまったという逸話がある。本当かは、知らないが。
しかし今となっては首根っこである。電気を止めるぞ、水道を止めるぞ、と言われるぐらい生活の首根っことなっているのがネット回線である。こんなことになるならもっと早くから参入しておけば良かったと思っている企業もあったことだろう。まあ、インフラなのでそんな簡単なものではないが。ここでいうならYahooあたりか、何か専門書出してるなーって思ってたらネット回線の普及をひっぱることなんてしていて、いつのまにか携帯のキャリアにまでなっている。あと当時ベンチャーみたいに頭を突っ込んできた有線が変体しつつまだ頑張っているようなので、ほのぼのとした気持ちになる。
つまり、いい思い出である。
……ポービーブーー……ザーーーーーーでん、でん、でん。
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