「どんな馬鹿げた考えでも、行動を起こさないと世界は変わらない」
出典元、アメリカの映画監督マイケル・ムーアの発言より。こんな感じ。
まあ、あれこれ考えたり論評するより、とにかく行動に移してみろよ、という話である。真理オブ真理。とんがった行動で世間の注目を集め、周りからあれこれ言われまくっている人だからこそ、「どんな馬鹿げた考えでも、」の部分に重みのある言葉である。馬鹿と天才は紙一重と言うが、それと似た様なところがある。普段大人しく、なにを考えているのか分からない様な人が、いざなにかを始めた時に、世界を驚かす発明をしたり、物を作り出す事もあるのである。
そして”実際にやってみなければ分からない”という真理もある。いくら本を読み、ネットで調べ、人に話を聞いたとしても、実際に行動に移し、やってみて初めて「ああ、こうなってるんだ」と分かる事実もいくらでもある。解説本や解説サイトが役に立たない訳ではないのだが、行動を起こして初めて知る、”自分のやり方という個性への障壁”というものがあるのである。とにかくやってみなければその障壁も分からないし対策の立て様もない。だから行動を起こさないとなにも始まらない。行動を起こさないとなにも始まらない。しかし、ここに問題もある。
名言系の本などを読むと過去の偉人たちの様々な名言が載っている。それは時には落ち込んでいる人を奮い立たせたり、失敗を恐れて動き出せない人の背中を押したりするだろう。もちろんカテゴリー別に、これから将来の事を考えている若者に向けてだとか、夫婦間の考え方とか、人間関係で落ち込んでいる人向けの言葉などがたくさん羅列されている。名言とは人生の指針となるべきものだからである。が、とにかく要約すると
「とにかく行動せよ」
が多い。多すぎる。真実も、経験則も、歴史的に見ても、そうなんだろうけども!
手を変え品を変え同じ事を言われると思考というものは麻痺してくるものであるからして、「まあそうなんだろうよ!」というなぜか反発したくなる逆効果が生まれたりする。もちろん読んだ人の性格によるところが大きいが、感化されやすい人ならば深く読み込むだろうし、読み込む人ならば結局、半分とは言わないまでも三分の一ぐらい「とにかく行動しろ、って事なんだな……」という感想に行き着くだろう。もちろん、全てがそうとは言わないが……。カーネギーっぽさのある名言集っぽいものにありがちな傾向である。どちらかというと人生訓より具体的な対処法の方が漠然としていないので役に立ったりするが、カーネギーっぽい名言集はもはやとてもブランド価値のあるものなので、やっぱり大上段から人生訓を振り下ろしてくる。分からない事は、ないんですけど……、
ツイッターとかで日々流れてくる、大量にリツイートされてる具体的な有益情報の方が役に立つ、っていうか。
だからつまりこの発言がマイケル・ムーアのものだからどうとかも比較的どうでもいいのである。そういう事はカーネギーっぽい名言集にたくさん書かれているし、さっきからカーネギーカーネギー言っているが日本人の偉人、著名人、実業家なども結局同じ様な事を言っている。おっきい事を成し遂げた人ほど、可能性を持つ若者を鼓舞したい気持ちを強く持つのだろうが、世界中の人が言の葉を尽くして大量のバリエーションの名言を生み出しているのに、結局行き着く先が同じ内容となってしまうと、もはや読む方も感動を通り越して白目である。
「どんな馬鹿げた考えでも、行動を起こさないと世界は変わらない」
つまり、こんな感じである。