「牛の肝臓を食べたい」
出典元、5chスレッド「【兵庫】「SNSに写真アップしないで」と口止めして牛生レバー提供、加熱指示せずに…兵庫県警、43歳焼肉店主を逮捕」より。どこかの誰かの書き込み。
この書き込みの日付は2017年12月4日である。
さて、2012年7月に、牛のレバ刺しは食中毒防止のために提供が禁止となった。先だってレバ刺しによる食中毒が多発したせいである。そのニュースに嘆く人は多かっただろう。ただ、元々好きな人は好き、食べない人は食べないと両極端のものだったので、同情票はそれほど得られなかった。「なくてもいいじゃん」扱いである。
しかし、元々好きな人は好きと言ったが、好きな人は滅茶苦茶好きだったのである。そして問題なのは代替食品がない点である。こんにゃくなどは話にならない。もちろんその時禁止されたのは牛のレバ刺しだけだったので豚のレバ刺しはまだいける。しかしどう考えても牛より豚の方が危ない。出す方も食べる方もどうかしている、という状況になった。ちなみに2015年6月に豚の内臓系も生での提供が禁止になった。禁止しなくても食べないだろ、と思ったら食べてる人がいたので「あーもう!」と、わざわざ禁止にした、のかもしれない。
法律で禁止されたのでダメなものはダメである。以下はダメなエピソードである。
ユッケもそうだが生肉系の中毒性はなかなか高い。そしてクジラとは違って完全にNGを出されてしまったので基本的に食べるのは不可能である。が、工夫する人は工夫する。例えば焼肉屋でレバーを頼む。焼肉屋は客が焼くのが普通である。つまり生の状態で肉は提供される。そこで牛レバーを頼み、焼かずに食べるという輩が存在する。それをさせないために、焼肉店側も「よく焼いてお召し上がりください」と注意を添えるのだが、そこは手段と目的である。もう食べられなくなったレバ刺しを、どうしても食べる方法となればそれが手っ取り早いし、高級めの牛レバーならなんだか行けそうな気もする。ちなみに鮮度は食中毒になる確率と関係ないのだが、気持ちの問題である。もちろん、生で食べてはいけないし、しっかり焼かなければいけない。
しかし店側も人情というものがあり、以前まではレバ刺しを出していたのである。居酒屋などではレアメニューだったかもしれないが、焼肉屋では定番メニューだったのである。客の気持ちも分かる。レバ刺しと言えばごま油に生姜や塩である。それを添えて出して来て、「良く焼いてお召し上がりください」なんて言われた日には店員と客との間にニヤリとしたアイコンタクトが発生する。そして、自己責任、自己責任と思いつつ食べてしまう人もいるらしい。が、言った通り法律違反なので決してやってはいけない。
今回のスレは加熱指示せずに捕まった焼肉店主の話だが、客だって分かっていただろう。どちらも悪い事は前提だが、今時分、最新の写真としてレバ刺しがアップされていたら店も目を付けられるだろう。当然である。食べてはいけない、食べると美味しい、もう食べられない。「牛レバ刺し」、罪深い料理だった。
「牛の肝臓を食べたい」
シンプルな感想である。