「お仕事頑張ってください!」
出典元、ダイドーの自動販売機が、飲料購入時に再生するセリフ。買わないと言ってくれない。
誰が考えたか知らないが少なくとも善かれと思って付けられた機能だろう。思い付いた人が「上手い事考えた!」と思った事は間違いない。が、甘い。まず自動販売機で飲み物を購入する時は社外の場合が多い。せっかく外に出て、ひと息入れようと思ったところに仕事を思い出させるそのひと言は余計である。また、特に昼休みに飲み物を買ってこれから弁当を食べよう、というタイミングで「午後もお仕事頑張ってください!」なんて言われた日には、感想は「うるさい黙れ」である。本当に、誰が考えたのだろう。勝手にしゃべるのなら適当な豆知識でも披露してくれた方がマシである。公式ホームページに、各地の方言バージョンがドヤァとばかりに列挙されている事を考えると、ダイドーとしては売りとして考えているのだろう。しかしほのかに”偉い人がこの機能付けようって言ったから反対するほどの理由もないし実装した”感が漂っている。”どうって事ない機能だよな”感も漂っている。「時間帯によってしゃべる内容を変えたら面白いだろう!」とか言って企画したんだろうな、偉い人が。
「お~いお茶」のサラリーマン川柳の方がまだ凝っている。しかし音声を流すならもっとなにかなかったのだろうか。ありていに言うと平凡である。それこそウルトラマンとかとコラボしてジュースとか出しているのだから、そのジュースを買ったらウルトラマンの音声が流れてもいいだろうに。まあ、ウルトラマンだと「ジュワッ!」になり、「日本語でおk」になってしまうが。いや、しかしそう考えると飲み物ごとに内容を変えてくれるといい。本当は買う前に聞きたい商品紹介だが、例えばジャスミン茶を買ったら「ジャスミン茶を飲むと心を落ち着かせる効果があります」とか言ってくれるとありがたいのではないか。ジャスミン茶にそんな効果があるかは知らないが。
しかしそれぐらいしてくれればドヤ顔をするに値する。「このコーヒーはノンカフェインなので寝る前に飲んでも安心ですよ」、とか、「冷めると味が落ちるので暖かいうちにお飲みください」とかいろいろあるではないか。最近はよく振って飲むゼリー状の飲み物だってあるし、逆に振ると開けた時に漏れやすいので「振らずに開けてください」と注意事項のあるコーヒーもある。ならそれをアナウンスしてくれるのがユーザーフレンドリーではないか。商品の入れ替わりも激しく、音声を付け替えるのも大変だろうが、ダイドーの自販機はポイントカードをやっているぐらい自販機に力を入れているのである。というか自販機しかやっていないメーカーとして有名である。もうちょっと他社と差別化して、凝りに凝って行くのも手だと思うのだが……。時間別にありきたりなセリフをしゃべる程度が限界なのだろうか。少なくとも、
「お仕事頑張ってください!」
は一度アンケートを取った方がいい。イラッとする人が一定数いるはずである。