「毛先が球」
出典元、花王のハブラシ「ハローハブラシ 毛先が球」の商品名、及びコマーシャルより。
「毛先がキュー!」でおなじみのテレビCMを覚えている人もいるかもしれない。当時かなり流行ったと思う。CMもかなり流していたし、他社から類似商品も出ていた気がする。明らかにそれまでと違う路線のハブラシだったのでインパクトは抜群だが、じゃあそっちの方が全てにおいて正しいのかなんてのはハブラシの歴史で答えは出ていないだろう。人にもよるし。
ただ、よく売れた事は確かそうである。多くのお問い合わせをいただく製品、のところに載っているし、実際のところハブラシの毛先が球だとどんな感触になるのか試してみたいと思う人は多そうだ。歯に対しては良いと言われても違和感を感じるが、そのままはぐきのマッサージにもいいとアピールされるとちょっとやってみたくなる。そしてやはりこのネーミングだろう。直球ではあるのだが、変にひねって「球形ハブラシ」だの「つくしハブラシ」だのにせず、「毛先が球」とそのまま特徴を名前にしてしまった事で、名前が説明になっていて説明不要な上にまずちょっと見てみたい感情が生まれる。「球」の「キュー!」や「Q!」のイメージの出るコマーシャルのノリもあり、ハブラシは消耗品な事もあって一回ぐらい試してみよう、という需要も多かっただろう。
ハブラシ業界は本当に、開発陣の試行錯誤が見えてきて大変だと思う。ブラシをギザギザにしてみたり、細くしてみたりカーブさせてみたり、持ち手の方も掴みやすく工夫したり変に曲げてみたり、さらに上位にはイオンハブラシや電動ハブラシまである。コストを考えてすら消費者には正解が分からないが、おそらく開発者にも正解は分からないのだろう。歯医者さんのお勧めするハブラシがあちこちにある事でもそれはうかがえる。……いや、歯医者さんは罠か? 歯医者さんにハブラシの意見を聞くという事は、敵軍側の意見を聞いてしまっているのかもしれない。
あとは歯磨き粉との兼ね合いも……、「歯磨き粉」。粉なんて今は使っていない。
調べると「練り歯磨き」、総称だと歯磨剤、「しまざい」と読むらしいがそれの事らしい。「歯磨き粉」の名前が定着し過ぎてしまったのでもはやそれでいいと思うが。あんまり「毛先が球」との兼ね合いがいい気はしない。しかしそれもなんとなくのイメージの話である。
ところで、「多くのお問い合わせをいただく製品」と書いたが、正確には「製造終了後6ヶ月経過しても、多くのお問い合わせをいただく製品」のところに掲載されている。2010年3月に製造・販売を終了したそうだ。え、やっぱり間違ってたって事?
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。