「はちみつレモン」
出典元、1986年にサントリーから発売された清涼飲料水の名前。すごく美味しい。
と、言うか、それまで日本になぜなかったのか、果てしない謎である。それほど美味しいのに素材がシンプルで、日本人の口に合い、大流行した。権利関連で独占が出来なかったらしくあらゆる企業が参入し、しっちゃかめっちゃかな事になったが消費者的にはあまり関係がない。気になるところでは欧米ではこれは「レモネード」である。つまりごく一般的な飲み物として広まっていたのに、なぜか日本では広まっておらず、出したら大流行した、という不思議な経緯がある。真似とは言いたくないが、誰も参考にしなかったのかよ、と言いたくなる。買う物ではなく家庭で簡単に作って飲む物、だった感じもあまりしない。よく飲んでいた家庭があったとすれば「欧米か!」とつっこまざるを得ない。このサントリーの「はちみつレモン」が広まってから作ろうとした人はいるだろうが、それは非常に簡単だっただろう。なにせはちみつとレモンと水で完成するのだから。
まあ日本での飲料はなにがどういう流行り方をするか分かったものではない、それを地で行くエピソードであるとも言える。CMの威力が大き過ぎるからだろうか。「ポカリスエット」なんて「汗」みたいな意味だし、「スーパードライ」なんて「乾く」なんて意味なのに完全に定番化している。お茶、緑茶は昔は「お~いお茶」しかなく、緑茶はそれで烏龍茶は「サントリー烏龍茶」しかなかった。しかしひとたび緑茶ブームが起きると、あちこちのメーカーから信じられないぐらいの種類の緑茶が登場し、定番化したり消えて行ったりした。試行錯誤のし過ぎで緑茶だか烏龍茶だか分からないものが生き残っていたりするのだから不思議なものである。「十六茶」とか「爽健美茶」とか、「ジャワティストレート」とかの事だ。何茶なんだ一体。
「はちみつレモン」に話題を戻すが、これが大ブームになったのは当然、美味しかったからである。しかし当初は暖かい方をメインで出して、冬場をターゲットとしていた。それが夏に飲む冷たいペットボトルで出した際、CM効果もあり大流行となったらしい。そう言われてみれば暖かい「はちみつレモン」と冷たい「はちみつレモン」は別の飲料というか、別の味わい方がある気がする。そしてポカリにも通じるものがあり、運動後などにもとても合い、とても美味しかったので、流行るのは当然である。
で、権利関連には教訓があり、現在でもそうなのかは知らないが一般過ぎる名称は商標登録が取れない事があるらしい。「はちみつレモン」もサントリーが独占出来れば、実際の数倍の利益をもたらした事だろうが、実際取れなかった。素早く機転を利かせて別のオリジナルネーミングを付ければどうにかなったかもしれないが、今は昔である。しかし「はちみつレモン」というそのままであり分かりやすい名前に愛着も湧いてしまったので、おとなしくこのまま愛される飲料であればいいだろう。
はあ~~~~っちみっつれーもんっ!