「いなくなってしまった人たちのこと 時々でいいから…… 思い出してください」
出典元、ゲーム「ファインルファンタジーX」より。ヒロイン、ユウナのセリフ。
「FF10」、ゲーム内のセリフだが、ものが大人気作ファイナルファンタジーなのと、その中でも人気キャラクターであるユウナの名ゼリフな事もあり、一般的な知名度もそこそこ高い。まあプレイした人の数がどうと言うより、テレビCMで使われたせいで有名だという部分もあるが。これはエンディングのセリフなのに……。エンディングでヒロインがそのセリフを言ったという事は、ほにゃららがほにゃららになるストーリー展開なんじゃないか!? と考える人も多かっただろうが、確証は得られないのでそこは実際にゲームをプレイするしかない。キャッチコピーで「世界一ピュアなキス。」とか謳ってさあ!
……それはいいとして。時効なのでいいとして。「時々でいいから 思い出してください」は、現在ネット上でたまに使われるフレーズになっている。なんとなく聞いた事あるなー、と思う人もいるだろうが、それはもしかしたらユウナのセリフそのものではなく、ネット上で見掛けたそのパロディフレーズかもしれない。その場合、セリフの後半部分のみ使われるのは、「いなくなってしまった人」まで入ると使用範囲が狭められてしまうからだろう。それでも使えない事はないが、ちょっと用途が狭過ぎる。もしそのままで使うとしたら、「さとう珠緒のこと 時々でいいから 思い出してください」とかだろうか。……。まあ使い方としてはつまり、どちらかというとネガティブなものを話題に出す際に使われる、という事である。後ろ向きというか……、「昔はみんな知っていたけど今は勢いがなくなり、忘れられているもの」か。
これを使うのは、ちょっとだけ関連した話題の時がいいかもしれない。おそらくその話題の中で、あんなものもあったよなーと思って書き込もうとした人が、あ、この書き方してみるか、と思って使うのだろう。SNSの事を話していてFacebookがどうだのTwitterがどうだの話している時に使うと、こうなる。
「mixiのこと 時々でいいから 思い出してください」
そ……、そんなSNSもありましたねえ、的な。別にmixiはまだあるが。あれはSNSの広まるかなり初期からあった、大御所的な存在ではないか。SNS全盛の今、なぜここまで存在感がなくなってしまったのだろう。招待してよ。……。みんな知ってたけど今はすっかり聞かなくなってしまって、しばらく名前すら聞かずに忘れていたもの。
紙幣の新デザインが話題になり、新しい紙幣が出るのなんて何十年ぶりだろ? とか話している人には、
「二千円札のこと 時々でいいから 思い出してください」
とすると、そういえばそんなものもあった、というリアクションが得られるだろう。当時その存在を知らない人などいなかったが、今現在二千円札の事を気にして財布の配置を考えたり、支払いで考慮する人もいないだろう。むしろレジで出したらビックリされそうである。なんだったんだあれは。
ま、こういった形で使われるフレーズである。それ自体の言い回しも面白いし、ユウナのセリフだと知っている人にはさらに追加でクスッと来るおまけ付きである。日常会話には使いにくいが、それこそツイッターでつぶやく際などにチャンスがあれば、使ってみると面白いかもしれない。聞いた人の心に少しでもチクッとさせれば勝ちである。
なお、ユウナのセリフとして有名だが、ゲームの歴史的にはそれ以前に別のゲームでかなり似たセリフが使われていた。「イース2」がそれで、イース勢からはどうしても「その話をするならちょっと待て」の声が掛かりそうだが、話の主旨が面倒臭い濁り方をしてしまうので、ここでは説明を省く。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。