「安かろう悪かろう」
出典元、日本で古来から使われる表現。いや、近代からかも。
まあ、いつから使われているかは置いとくとしても、人生訓の中では有名なものである。買い物を全くしない人でもない限り、歳を重ねるにつれ自然と分かって来る世の中の節理と言ったところか。ことわざで言うと、
「安物買いの銭失い」
となる。ことわざがある事からも分かる通り、既に浸透している常識である。
簡単に言えば、同じ機能の商品を何種類かから選ぶ際、単に「安いから」で物を選んでしまうと簡単に壊れてしまったり、目的の機能が得られず、またすぐ買い直す羽目になり、結果的に余計お金を使う羽目になる状態を言う。特に安い方でもそこそこ値が張る物だったりすると、目も当てられない。近年、アマゾンや価格.COMで比較しながら購入する仕組みは発達して来ているが、なんでもかんでも売っているというものでもない。そこで重要な要素になるのがレビューなのだが、それもまた当てになる場合もあれば当てにならない場合もあるのである。となるともっと視界を広げ、ネット上を検索して評判を探したり、それこそ知り合いで持っている人を探して使い勝手を聞いたりする事になる。しかしそれぐらいした方がいいのである。「安い方がお得に決まってるじゃん!」と即決してしまう人もいるが、そういう時に限って使って一回目で壊れたりする。そしてまた買いに行く。完全に「安物買いの銭失い」、「安かろう悪かろう」である。
そしてもう一つ、買ってみたものの思った機能が見込めなかったというパターンも存在する。しかし壊れた訳でもなく、全く使えない訳でもない。それなりにお金を出して買った以上、捨てて買い直すのももったいない。これがまた非常に面倒な、不便なまま使い続けるストレスフルな状態であると言える。これになる可能性を考えると安易に安い方を買ってはいけない、と慎重にならざるを得ないだろう。
……が!
ここで言うところのそれを売っている店、分かりやすいところだと100円ショップがあるが、近年、商品のクオリティが上がって来たのである。タチの悪いことに。いや、便利な事に。「この商品の機能なら100均ので十分」という物が増えて来ているのである。こうなって来るとただの「安くて良い物」なので、それを選ぶ事が正解になる。しかし、なんでもかんでもではない。そこが難しいところである。さらに言うなら「壊れやすいけど値段を考えると壊れるまで使ってまた買うのでもお得」まである。ここまで来ると”こうどなじょうほうせん”である。ネットや雑誌などでも100均のこれは買うな、でもこれは100均で十分、など情報はたくさん出ている。目を増やし、耳を増やし、情報を有効活用して、買い物は「安かろう悪かろう」にならない様にしたいものである。気に入って買った物を他人にダメ出しされるのが最も不快なのでね!